2010年1月20日　avex trax

（1）フレンズ
（2）魅せられて
（3）ヒーロー (Holding Out For A Hero)
（4）限界LOVERS
（5）そばかす
（6）赤いスイートピー
（7）地上の星
（8）ダンシング・ヒーロー (Eat You Up)
（9）六本木心中
（10）熱くなれ
（11）愛が止まらない (Turn It Into Love)
（12）今夜はANGEL (Tonight Is What It Means To Be Young)
（13）My Revolution
（14）Return to Myself

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　バンド「聖飢魔II」のボーカリストのデーモン閣下が女性アーティストの歌をカヴァーしたシリーズのベスト盤アルバム。「GIRLS' ROCK」シリーズは、これまでに3枚のアルバムをリリースしている。

　デーモン閣下は、こう言っては失礼にあたるのかも知れないが、見た目からは想像できないような美しい高音が魅力のボーカリスト。トーク時の声は低く男性的なのに対し、歌声は力強く美しい高音が余裕たっぷりに響く。そのため、女性アーティストの歌のみをカヴァーした当アルバムに於いても、決して引けを取ってないどころか、性別の壁を取り払った感があり、男らしさだの女らしさだのといった野暮なことは言いっこなしの、それら全てをひっくるめたパワフルなアルバムとなっている。

　収録タイトルに目を通すと、ロック・テイストな曲が入っているのは納得がいくとしても、案外とオリジナルの歌手の歌声がかわいいものや色気のあるものがラインナップされており、そこにこのアルバムの存在意義やデーモン閣下の並ならぬ歌唱とアレンジ力の腕の見せ所となっている自信の高さが窺える内容となっている。「赤いスイートピー」は、松田聖子さんのヒット曲の一つで、歌声のみならず歌詞も恋心に揺れる女性の気持ちを綴ったかわいらしい曲だが、その曲を、デーモン閣下ならではの張りのある高音ボイスで歌い上げ、ギターとドラムの効いたアレンジでまとめている。

　最も気に入っているのは（4）「限界LOVERS」。オリジナルは、SHOW-YAで、パンチの効いたヘヴィーでかっこいい曲だけに、ピッタリとハマっている。デーモン閣下の歌う「限界LOVERS」も文句なしにかっこいい。次に気に入っているのは（14）「Return to Myself」。オリジナルである浜田麻里さんも声量のあるパワフルなボーカリストであるので、浜田麻里さんの曲を選んでくれたことが率直に嬉しい。意外な選曲と思いつつもきちんとデーモン閣下のフィールドで歌っているのが（2）「魅せられて」。オリジナルのジュディ・オングさんのイメージが濃いこの曲は、誰が歌ってもパロディっぽく聞こえて来ると思うのだけど、そういった部分も含めてデーモン閣下は正面から真っすぐに歌っており、かっこよく仕上げている。

　他のどの曲もロック・テイストのアレンジでまとめており、ギターとドラムがしっかり鳴り響き、”ロック”をたっぷり味わえるアルバムとなっている。オリジナルの曲の雰囲気が生きており、カヴァーすることの意識の高さがある。歌詞に甘さはあれど、サウンドに甘さはなし。予想以上のかっこよさ。流石。

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