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「Nostalgia」 徳永英明
投稿日 : 2011/11/25 17:22
投稿者 久保田r
参照先
1993年12月10日 アポロン

(1)過ちの夏 
(2)Navigation
(3)Money
(4)僕のそばに
(5)魂の願い
(6)また明日は来る
(7)FRIENDS (編曲:佐藤準)
(8)恋の花 (編曲:徳永英明)
(9)Jealousy
(10)もう一度あの日のように (編曲:瀬尾一三)

全作詞・作曲;徳永英明
編曲:国吉良一(1〜6、9)

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Re: 「Nostalgia」 徳永英明
投稿日 : 2011/11/25 17:23
投稿者 久保田r
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 声帯ポリープの手術後にリリースした8枚目のオリジナルアルバム。前作「Revolution」にてヒットチャートのトップを獲得し、以降はヒット路線の曲作りからは距離を置くとしたうえで作られた新たなる一歩となる意義のあるアルバム。

 当時の私は、平淡な例えになるが、もの凄く徳永さんにハマっており、首都圏に住んでいたこともあって東京で行われたライブには一人きりでもことごとく通い詰めるほど傾倒し心酔していた。その頃のピークのアルバムが、この「Nostalgia」。ヒットチャートの頂点を極めた前作の「Revolution」ではなく、その次に出たこの「Nostalgia」のアルバムこそが私の中にある徳永さんの最高傑作にして、信ずべきアーティスト性。頂点から踏み出す新たなる一歩にこそ、そこに達した者だけに与えられる真の勇気と才能であり尊いものであると信じている私の思いに見事にジャストフィットした最高の存在のアルバムとなっている。

 単純な振り分けで明と暗に分けるならば、このアルバムは暗に位置する内容であると思う。明るくキャッチーな楽曲はなく、心のひだの奥の部分を歌うような楽曲が多く、(5)「魂の願い」では、曲のクライマックスとなる終盤で「頑張れ 頑張れ」とひたすら繰り返し、メッセージ性を持った曲となっている。一つの曲の中で「頑張れ」を16回も繰り返す歌はそうはないだろう。しかも詞の内容は、希望はすぐそこにあるから頑張れというような明るく励ますような歌詞ではなく、どん底にまで落ち込んでいる人の気持ちに寄り添うような内容となっており、「眠れない夜を死に物狂いで越えた男もいりゃ 裏切りに絶望の淵を渡り歩いた女もいて」という詞が綴られている。言葉を飾らず、メロディーも明るく飾らない。当時の徳永さんの心境と心情から生まれたこの楽曲は、聞く者の心の内へと届けとばかりに、まさに「魂の願い」と呼べる曲に仕上がっている。この歌の存在こそこのアルバムを作った徳永さんのアーティスト性に惚れ込んだ。

 とはいえ、全体が「魂の願い」のような楽曲ばかりではなく、アルバムの幕開けとなる(1)「過ちの夏」は、ひと夏の過ちを振り返る女性の愁いさが艶っぽく歌われており、(3)「Money」は、バブル経済崩壊後を描写した歌、(6)「また明日は来る」は、おしゃれなムードの漂う大人の恋愛の一幕が歌われており、(7)「FRIENDS」は、企画・原案・音楽を担当した映画「シンガポール・スリング」(レビュー:http://chaos-i.com/review/cinema/patio.cgi?read=800&ukey=0)の主題歌。また、ラストの(10)「もう一度あの日のように」は、その後の楽曲の礎となる柔らかく慈しみのある曲で締めくくりとなっている。
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