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「ROCKS」 甲斐バンド
投稿日 : 2015/01/30(Fri) 13:37
投稿者 久保田r
参照先
2013年1月9日 SPACE SHOWER MUSIC

(1)ポップコーンをほおばって
(2)東京の一夜
(3)翼あるもの
(4)HERO (ヒーローになる時、それは今)
(5)きんぽうげ
(6)漂泊者 (アウトロー)
(7)ダニーボーイに耳をふさいで
(8)安奈 -2012-
(9)裏切りの街角
(10)氷のくちびる
(11)テレフォン・ノイローゼ
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Re: 「ROCKS」甲斐バンド
投稿日 : 2015/01/30(Fri) 13:39
投稿者 久保田r
参照先
 デビュー40周年にちなんで発売されたセルフ・カバー・アルバム。主に初期から中期の楽曲を収録し、ボーカル、演奏共に新録音。

 一口にデビュー40周年と言ってもその間に解散と復活が繰り返し行われ、ソロ活動があり、ギターの大森さんが亡くなられ、人に歴史ありと同じようにバンドに歴史ありといった歩みを経て来た甲斐バンド。人が40才もの齢を取れば若い頃とは感受性も表現力も変わって来るのは当然のことで、若い頃の楽曲を今の年齢できちんとした形で表現したものがこのアルバム。

 私がこのアルバムの存在を知ったのは、たまたま見たBS放送の番組がきっかけで、ゲストで訪れていた甲斐さんが「スタジオでほとんど一発録りでレコーディングした」と語ったコメントに興味を覚えてのこと。ということは、ライブに近い音楽になっているのでは…と想像しながらいざアルバムを聞いてみると、思った通りライブに近いアレンジとボーカルで歌い上げている内容だった。

 一通り聞き終えてすぐに感じたのは、何かこうすっきりとしないもやっとした感触だった。40年もの年月に渡って歌い続けて来た甲斐さんが、自身の歴史を振り返り今一度現在の歌声で表現することには確かに意味があるような気がする。しかし、かつての甲斐バンドといえば、スタジオ録音によるオリジナル・アルバムの音楽は妥協を許さないほどに音を追求しシビアでストイックな音を響かせていた。そしてライブでは、スタジオで作る音楽とは別にライブならではの音とアレンジにこだわる独自の音楽性を見せていた。そういうかつてのバンドの音楽性を知っている者としては、今回のこのアルバムの音は折衷案のように思えてどこか落ち着かない。どっちつかずという表現の方が合っているだろうか。響く音の鳴りとアレンジはライブのそれであるのにスタジオでの録音のため沸き上がるような高揚感がない。そのため音に酔いしれるというほどではないし、臨場感に乗るというほどでもないのが今ひとつな点。ライブに近いアレンジで一発録りでというアルバム・コンセプトならば、いっそライブ盤の方がまっすぐに伝わりやすかったかも知れない。

 しかし、初期に作った曲を今でも大事に歌い続ける甲斐さんの姿勢は素敵だと思う。
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