「LOVE MINUS ZERO」甲斐バンド
投稿日 | : 2002/02/15 23:33 |
投稿者 | : 久保田r |
参照先 | : |
1985年 TOSHIBA EMI LTD.
(1)野獣(5'26")
(2)冷血(コールド・ブラッド)(5'09")
(3)フェアリー(完全犯罪)(3'44")
(4)キラー・ストリート(5'28")
(5)ラヴ・マイナス・ゼロ(6'01")
(6)デッド・ライン(4'03")
(7)Try(3'58")
(8)悪夢(4'22")
(9)夜のスワニー(3'03")
All songs words & music by Yoshihiro Kai except on (8)music by Ichiro Tanaka
Mixed by Bob Clearmountain at The Power Station.New York. except on (3)by Neil Dorfsman
テイストの確立
投稿日 | : 2002/02/15 23:36 |
投稿者 | : 久保田r |
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結成時からのメンバー、大森信和さんの耳の故障を受けて、”これがバンドのテイストの確立だといえるようなアルバムを作ろう”というコンセプトの元に作られたアルバム。「甲斐バンドのポリシーを明確に出し得たアルバム」と、リーダーの甲斐よしひろさんは語っています。
このアルバムは、『虜』『GOLD』に続くボブ・クリアマウンテン三部作の完結です。前二作のアルバムよりも音が骨太になり、ハードボイルド色濃いアルバムとなっています。このアルバムに合わせて、アルバム名を冠したハードボイルド短編集(中の小説のタイトルも、アルバム収録曲名。レビュー:http://chaos-i.com/review/novel/patio.cgi?read=170&ukey=0)を出したことからも、当時バンドがハードボイルド的な音作りを目指していたことが分かります。
確かに、このアルバムの骨太な音は、(1)曲目の最初のドラムの音からズンッと響かせていて、一曲一曲の完成度が高く、一度聴くと、明確にこのアルバムのスタイルというのを聴く者に知らしめます。歌詞も、通常音には乗らないだろうという言葉で織り込まれていて、男を意識した世界観の中に、きちっと愛を綴った詞を含ませています。
このアルバムが出た時、私はまだ高校生で、部活動の関係で年に何回か合宿があって、その合宿中に一度このアルバムを流したら、次の合宿の時に、同学年の男子から「また、『LOVE MINUS ZERO』を持って来てよ」と、言われました。その子はおよそ甲斐バンドを聴くようなタイプの子ではなかったので、へぇ〜と意外に思ったんですが、それは、そういう子にも又聴きたいと思わせたこのアルバムの完成度の高さを思い知っての驚きでもありました。
このアルバムを聴くと、その頃の色んな思い出や出来事を思い出します。それは、常に時代を意識した音作りをして来た甲斐バンドの音楽が為せる技だと感じています。思い出と共に頭の中で奏でられる『LOVE MINUS ZERO』の音楽。それほどに印象に強いアルバムです。