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「天使の歌声」シャルロット・チャーチ
投稿日 : 2004/01/11 23:11
投稿者 梶原正義
参照先
シャルロット・チャーチ「天使の歌声」
演奏:ウェールズ国立オペラ交響楽団、コーラス:ウェールズ国立オペラ合唱団

1998年の11月にリリースされて話題となった言わずもがなの“あの”12歳の少女のデビュー盤です。
個人的には、いわゆる“ちびっ子モノ”は嫌いなのですが、このCDだけはすんなりと受容できました。変に大人びていないというかスレていないのが良かったんですね。
楽曲も有名なものが多く、また『アメージング・グレース』や『ダニー・ボーイ』などのフォーク・トラディショナルの世界でも超有名曲が揃っているので、クラシック嫌いの人でも割りと抵抗なく入ってゆけます。
楽曲もさることながら、ウェールズ国立オペラ交響楽団の演奏もいかにもウェールズの伝統と香りに満ちていて、そのことがこのCDに重みを加えているように感じます。
このCDの聴き所と言えば、やはり冒頭の『ピエ・イエズ』ということになろうかと思います。しかし、個人的に最も気に入ったのは『マイ・カントリー(ホルスト)−I Vow To Thee, My Country』でした。シャルロット自身をはじめ、CDのライナーにもこの曲に対する評価や発言が皆無でしたので、基本的にはCDの構成上の録音だったんでしょうね。
さて、この曲は作曲者の名を見れば一目瞭然で、かの“グスタフ・ホルスト”の『惑星』の『木星(Jupiter)』に歌詞をつけたものです。歌詞の内容はタイトルの通り「我が祖国への誓いと愛」を謳い上げたものです。ただし、この場合の“祖国”とはウェールズという“国”であって、日本人が言うところのイギリス=UKではありませんので、いわゆる愛国心というのとはちょいと違います。日本では郷土愛みたいなものと考えるべきでしょうか?とはいえ、この歌詞が、本来“惑星”をモチーフにした曲でありながら、意外とピッタリとはまっていまして、ウェールズという土地や空気、そして伝統をちゃんと感じさせるんですね。もし前提知識のない人が聞いたら「威風堂々」と同趣旨の曲だと感じてもおかしくないでしょう。先のウェールズ国立オペラ交響楽団の演奏が、そのフレーバーを余すところなく表現しているように思います。シャルロットの歌声は、ここでも堂に入ったもので、なかなかの完成度で聴かせてくれます。でも、やはりソプラノ歌手にありがちな深みや豊かさのようなものは多少希薄です。12歳の少女に、「想像の共同体」としての郷土愛は本当には生まれようはないですからね。
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Re: 「天使の歌声」シャルロット・チャーチ
投稿日 : 2004/01/11 23:13
投稿者 梶原正義
参照先
とはいえ、私個人は、この曲が気に入りました。歌詞はさすがにこの日本で歌ったら思想的に“あっちの人”と言われそうで、気恥ずかしかったのですが、何より日本人が勝手に想像して美化しそうなウェールズの伝統というか、あの古き北ヨーロッパの香りがするものですから(曲は宇宙なのにね^^;)、鼻歌代わりによく唄ってました。結構難しい歌ですけどね。
ところが、つい先頃ラジオから、この歌が日本語で流れてきたのでビックリ仰天!・・・言わずもがなの平原綾香という歌手のデビュー盤でかなりヒットしているとか・・・。正直「何で今頃???」ということで驚いたんですがね。しかもシャルロット・チャーチの時は見向きもしなかったマスコミやら音楽関連の人たちが、こぞって「メロディがいい」とか「秀逸なアイデア」とか言っているのは何なんでしょうね?
・・・ま、ゲーノーカイっちゅうか、音楽産業というのは、“やったもん勝ち”なのでしょうがね(汗)。
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