2008年2月20日　NIPPON CROWNCO,.LTD(CR)(M)

（1）駅（オリジナル：竹内まりや）
（2）I LOVE YOU（オリジナル：尾崎豊）
（3）めぐり逢い（オリジナル：CHAGE&ASKA）
（4）桜坂（オリジナル：福山雅治）
（5）タイガー＆ドラゴン（オリジナル：クレイジーケンバンド）
（6）別れましょう私から 消えましょうあなたから（オリジナル：大黒摩季）
（7）涙がキラリ☆（オリジナル：スピッツ）
（8）Marionetto（オリジナル：BOOWY）
（9）戦国自衛隊のテーマ（オリジナル：松村とおる）
（10）涙そうそう（オリジナル：夏川りみ）

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　前作から1年後に発売となったカバーアルバム第2弾。今回もヒットチャートの上位に上った曲が中心。オリジナルを思い出す曲あり、オリジナルとは異なるイメージの曲ありと甲斐さんらしいアレンジとヴォーカルに包まれたアルバムとなっている。

　アルバムタイトルを「TEN STORIES」と付けているだけあり、選曲にも曲順にもドラマ性が感じられ、聞いていると知らず知らずのうちに歌の作り出す雰囲気に浸るアルバムだが、”これが甲斐よしひろの音楽です”と簡単に言い切ることも出来ない複雑なファン心理もある微妙なスタンスのアルバムであることは前作と同様。

　今回のお薦め曲は（5）「タイガー＆ドラゴン」。素晴らし過ぎる。まるで甲斐さんの為にあるような曲。見事、自分のものとしている。（1）「駅」（4）「桜坂」もなかなか甲斐さんの声と合っている。歌詞の雰囲気が伝わって来る。意外な選曲と感じつつ思ったよりも良かったのが（3）「めぐり逢い」と（8）「Marionetto」。両曲ともオリジナルのボーカリストの個性が曲の世界観を作っているだけに、こういった曲のカバーは難しいと思うのだが、思えば甲斐さんもそういったタイプのボーカリストであるので、何と言ったらいいか…それなりに意外と上手くまとまっていると感じた。氷室京介さんのファンである私には、曲と歌詞のどちらに惹かれてこの曲を選んだのか少々複雑な思いのするところ。（9）「戦国自衛隊のテーマ」は、甲斐さんの好きな曲ということで、真っすぐに聞くことのできる曲。（2）「I LOVE YOU」は、オリジナルのイメージとはガラリと変わっている。一言で表すと軽めの仕上がり。カバーしているアーティストが多いので、その為このようなアレンジになったのか、それとも始めからこのようなアレンジを考えていたのか真意のほどは分からないけれど、オリジナルのイメージが好きな人には違和感を覚えるかも知れない。締めは（10）「涙そうそう」。虫の声を思わせるイントロがあり、しっとりと歌が始まる。

　もともと歌謡曲が好きな甲斐さんであるので、もしかすると昔からこういったアルバムをどんどん作りたかったのかも知れない。パーソナリティを務めるラジオ番組でよくカラオケを披露していたので、歌だけでなくアレンジも自分の手でこなしたアルバムを作りたい…と常々思っていたかも知れない。年齢的なことやアーティストとしてのキャリアや時代の流れにようやく納得しこういったカバーアルバムに着手し始めたのだろうか…とこの「2」が発売されてそんな風に感じた。おそらく「3」辺りまでは出そうな気配を何となしに感じるので、ではもし「3」が出たらその時もぜひ聞きましょうという心積もりの為に。

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