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「古代とヤマト」
投稿日 : 2002/01/03 23:22
投稿者 梶原正義
参照先
作詩:阿久 悠/作・編曲:宮川 泰

言うまでもなく『宇宙戦艦ヤマト完結編』の挿入歌である。最初に聴いたのが同映画の宣伝フィルムだったので、てっきりこの曲が主題歌なのかと思ってました。
でも、このフィルムは出来がよくて大変に印象的でした。確か、広川太一朗さんがナレーションをされていたし、当時はアニメ映画なんて見せてもらえなかった頃で、実にくやしい思いもしたしそれだけにこのフィルムを見ることで勝手に想像を膨らませて溜飲を下げていました(暗い子供時代や^^;)。
本編では、艦長を辞任した古代がドック入りしたヤマトの前で佇むシーンで印象的に使用されていました。この作品での古代進は妙に暗くてというか苦悩に満ちていて、パート1の熱血漢を好む方には好みでないかもしれませんが、私は逆に大人になってから見直して、結構好きになりました。
曲調もそんな古代のキャラを反映して、ずいぶんと大人で深刻な感じです。正直言えばかなり演歌調でもあります。歌詞もまさに古代の心境を歌い上げたものですが、何処かやはり浪花節というか軍談調です。「古代」と書いて「おれ」と読ませるあたりも「戦友」と書いて「とも」と呼ばせるような感じで尚更です。
この頃のささきいさお/佐々木功氏のアダルト志向にもある種通ずるものとも言えます。
一応、イントロのトランペットからして「好敵手」を踏まえたものと言うことが出来ると思いますが、「好敵手」がある種のアダルトでジャジーなアレンジだったのに対し、こちらは随分芝居がかったオペラチック演歌のようなアレンジです。『完結編』のサントラ自体が羽田健太郎氏も加わってよりクラシカルになったことも影響していると思いますし、何よりもアニメ化されていない漫画までイメージアルバムなるものが作られ、アニソンであっても大作主義の傾向が強まったこと、そして、ファイナルヤマトということでスタッフ一同、よく言えば盛大に、悪く言えば大袈裟に担ぎ上げたということが影響していると思われます。
出だしの部分のフレーズが終わると入る管と弦やサビの部分のこれでもかと言わんばかりの壮大な管楽器の音色は、今聴くとちょっと重いかもしれません。
因みにサビに軍楽隊風のスネアドラムの音が入ってますが、まあ軍隊の歌なのだから当然ですが、私はエルビス・プレスリーの「アメリカの心」を思い出しました。これもプレスリーの故郷への思いや人生をアメリカへの愛国を込めて歌い上げた壮大な曲ですが、アレンジもよく似ております。
ささきいさお氏のボーカルですが、やはり晩年のエルビスの歌唱にも似た重々しくかつ情感のこもったもので、やはりヤマト作品にかける想いが伝わって来ます。エルビスに憧れ、アニソン歌手として再起を果たし、"大王様"と言われるまでになった10年の年輪を感じさせるボーカルコントロールの凄さです。
やっぱり、この手の歌に限りますよ。ささきさんは!
ところで、ヤマトという作品で「さらば」というフレーズは一体何度使われたのでしょうか?
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