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「ヤマト10年の賦」
投稿日 : 2002/01/04 01:44
投稿者 梶原正義
参照先
作詩:阿久 悠/作・編曲:宮川 泰

『宇宙戦艦ヤマト完結編』公開直後に"宇宙戦艦ヤマト10周年記念盤"として発売されたもので、当初は『交響詩 ヤマトとともに』というタイトルであったらしい。
『完結編』の内容とは直接は関係なく、それも含めたヤマトの10年史を抽象的に語ったもので、その意味でも80年代に流行ったイメージアルバムのようなものと位置づけられるかもしれない。
もっとも本作は33回転の17cmLPとして発売されたもので、1曲の長さが8分54秒もある大作で、ナレーションを除くと、何と10番も歌詞がある(おお!まさに10周年記念盤!!)。途中でナレーションを挟んだり、別のメロディを挟んだりと、言わば組曲風の作品である。しかし、このアプローチは正直言って全時代的でもあります。『完結編』のサントラ自体のクラシカルな大作主義の傾向がここでも垣間見られます。もっとも、ロックですらそういう組曲風の壮大な大作(ロックオペラやコンセプトアルバム)が一時期もてはやされた訳で、特に変わった傾向とは言えないが。
しかも、ファイナルヤマトということでスタッフ一同、よく言えば盛大に、悪く言えば大袈裟に担ぎ上げた側面も否定できないと思います。気持ちは分かりますが、"平和の使者"とか言われましてもチョット違和感もあります。そんなにあえて強調せんでも、ファンは分かりますがな・・・という気もします。パート1の最終回が静かではあったが、その分余韻に浸れたという方も多く、こうした仰々しい大作には正直白けてしまう向きもあります。
個別に見れば、途中でナレーションによる語りも入りますが、この声も随分オフ気味で、ボソボソ聞えて伴奏に埋もれそうだ。逆に佐々木功氏のボーカルの力量が目立つけど・・・。また、いきなり哀愁の演歌ギターが始まり、 演歌の"語り"か"子守唄"のようなメロディになる部分もある。これも若きアニメファンにはツライかも・・・。オーケストレーションも悪く言えば大風呂敷であるとも言える。ここまで"本格的"なクラシック作品なら、本物のクラシック作品を聴くわけで、アニメのサントラをここまで昇華しなくともいいような気もする。さりげなく使って、意外な組み合わせを楽しむ位の方が映えますな。
とはいえ、私もいい年頃になりまして、今となっては結構楽しめます。昔は5分程度の曲でも長いと感じたが、今や普通のロックでも7分位は当たり前の時代で、冗長なギターソロやらサンプリングソースを聞かされる時代だ。それに比べれば、この程度の長さは何ともないし、8分54秒という中によくぞこれだけのアイデアや展開を詰め込めたなとすら思います。静と動がうまくうねりを上げて展開してゆきます。その意味でも個人的には全く退屈さを感じないで最後まで聴けます。特に後半部の盛り上げ方はドラマチックで壮大なオーケストレーションと共に実に見事です。
全体的に「宇宙戦艦ヤマト」のメロディをうまく被せていて、逆にいかに「宇宙戦艦ヤマト」がメロディの宝庫であるかを証明してくれます。本当にどこを切ってもヤマトなのですね。ちょっと、後の「超人機メタルダー」に似たメロディやアレンジも聴けます。その意味ではこういう感じが当時の流行だったのかも。佐々木功氏もこの長くしかも難しい歌を最後まで完璧に歌いきっています。何も申し上げません、ハイ!
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