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「行け!タイガーマスク」
投稿日 : 2001/12/04 02:28
投稿者 梶原正義
参照先
「行け!タイガーマスク/みなしごのバラード」
唄:新田洋 作詞:木谷梨男 作曲/編曲:菊池俊輔

紹介するまでもない超有名曲であり、作品と共に思い出深い作品である。OPの正式なタイトルは上記の通りらしいが、レコード含め「タイガーマスク/みなし児のバラード」の表記が多い。
アニメに「ズンダカズンダカ・・・♪」という西部劇風=ウエスタン調のリズムを持ち込んだ画期的な作品で、これは時代劇の劇伴を手掛けてきた菊池俊輔氏のアイデアである。その疾走感と孤独感を併有したリズム/メロディにストリングス、ホーンが絡む菊池楽曲の黄金パターンを確立した金字塔的作品といえそうだ。以後、このパターンを更に突き詰めていくことになる。
何と言ってもストリングスによるイントロがあまりにも印象的だ。アイキャッチとしての役割も果たすアニソンの名曲のイントロには、数少ない音数でもそれを聞いただけですぐに曲や映像までがありありと浮かんで来るものが多い。
他方、EDのバラードは当時あまりにも衝撃的であった。アイデア自体は製作の東映側によるものだとも噂されるが、菊池氏の楽曲もそれを充たして余るものだ。
当時小学生低学年であった私には、まだまだ日本が貧しさも抱えていた頃の社会の一面をも印象づけられたもので、こうした刷り込みは大人になった今でも私の人格の一部を形成していると思う。曲は「禁じられた遊び」に代表されるラテンバラードを受容した”流し”ギター系の「哀愁の」昭和歌謡/演歌の系譜をひくものだろう。人のいない観客席にひとり佇むタイガーマスクの後ろ姿や、冬空の下、靴磨きをして歩く伊達直人少年の姿など、今でも何か心に残る原風景だ。仕事柄東南アジアに行くことも多く、そこで見かける風景もまた同様であるが、しかしその子供たちは同時に明るく逞しい。
歌手は「新田洋」氏、この後「森本英世」と改名し「敏いとうとハッピーブルー」のボーカリストとして「星降る街角」「わたし祈ってます」「よせばいいのに」などのヒット曲を放った実力派である。
OP/ED共に当時異色だった曲を難無く、しかも情感たっぷりに歌いこなしており、その実力の片鱗を伺わせる。現在はソロ歌手として活躍されているようだが、もっと多彩なジャンルでその歌声を聞いてみたいシンガーの一人である。ムード歌謡だけではもったいない!
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