「安彦良和ILLUSTRATIONS」
昭和60年2月20日　徳間書店　ロマンアルバムスペシャル

　「機動戦士ガンダム」のキャラクターデザインとして、また最近では「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」の作者として有名な安彦良和氏の2冊目の画集。

　「アリオン」の映画化に合わせた発売となっている為、収録されているイラストは「アリオン」がメインとなっており、それに続くように「巨神ゴーグ」「機動戦士ガンダム」「クラッシャージョウ」「ダーティーペアー」「白い牙」「クムクム」「クルドの星」他オリジナルイラスト…というラインナップになっている。十代の時に「ガンダム」をリアルタイムで接した者としては、まさにストライクな内容となっていて、どの作品も懐かしさと共に現在でもその描写の鮮明な細やかさに感銘を受けることのできる画集となっている。

　この画集は、予約して購入した。発売されることを知ってすぐに”欲しい！”と思い、近所の書店に予約したのを覚えている。購入後は、毎日のように繰り返し眺め、安彦さん独特のカラーの色使いを鑑賞し、各作品ごとのはっきりとしたキャラクターの個別化の素晴らしさに感動した。今でも、ページを繰る度に凄さを感じることができる。

　イラストの合間には安彦氏のエッセイがあり、映画、日本の街、演出についてなどの考えを読むことができる。巻末は、「アリオン」のイラストがたくさん収録されており、コミックの一場面など「アリオン」の世界をたっぷりと感じることができる。

　私的に好きなイラストは（どれも素晴らしいのだが）、最初の描き下ろしの「アリオン」”オリンポス”と、同じく描き下ろしの「アリオン」のレスフィーナと、「クラッシャージョウ」の映画パンフレット口絵と、「ガンダム」のデギンとジオン・ダイクンと幼いキャスバルとアルイティシアが1枚の絵に収まっている肖像画。どれも作品の世界観が表れていて好きなイラスト。

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