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「常識として知っておきたい 世界の三大宗教」 歴史の謎を探る会・編
投稿日 : 2010/10/19 17:41
投稿者 久保田r
参照先
2005年2月1日 河出書房新社 KAWADE夢文庫

 世界の三大宗教と言われる、仏教、キリスト教、イスラム教を、開祖の誕生から現代社会に至るまでの歴史を分かりやすく説明している本。

 宗教と名のつくものにはただ漠然と抵抗感を持って生きて来た自分だが、日々のニュースでは、世界のどこかしらで紛争が起きていることが連日のように報道され、事の発端と和解できぬ理由の一つに宗教が関係しているらしいということがこのような自分にも分かるくらい犠牲が多く、また、これまで自分は無宗教であると思って過ごして来たが、年に一度のお盆や日常生活において何気なく宗教の教えが入り込んでいることにようやくこの歳にして気づき始め、「宗教とは一体何ぞや?」という基本的なことをざっくりと学ぼうと思ってこの本を読んだ次第。

 日本にとって古くから馴染みがあるのが仏教であり、次いでキリスト教。世界に目を向けるとイスラム教、ヒンズー教、シク教、ユダヤ教、儒教、道教、中国の民間宗教、新宗教などなどといった様々な宗教があり、その中でイスラム教は、キリスト教に次ぐ2番目に信仰の人口の多い宗教。一口に仏教、キリスト教、イスラム教と括ってもその内部では解釈の違いや伝わった国独自の発展によりいくつかの宗派に分かれているのが特徴で、その至る過程に於いて古来より諍いの類いがあったことが分かる。

 仏教の開祖はブッダ。キリスト教の開祖はイエス・キリスト。イスラム教の開祖はムハンマド。それぞれの開祖の生涯についても書いてあり、これらを読むと、どれも俄には信じ難いエピソードが多く、真実なのか事実なのか、はたまた後に弟子たちによって作られたエピソードなのか、現在に於いては確認のしようのないエピソードが多い。とりわけイエス・キリストは、まさに奇跡の人。水をぶどう酒に変えたり、パンと魚を増やしたり、水の上を歩いたり、死者を蘇らせたり、そもそもイエスの誕生からしてあり得ることなのだろうか…と不思議な思いにとらわれる奇跡がたくさんある。そして極めつけは、自らの復活。処刑後復活し、弟子たちと40日間過ごし、弟子達の目の前で天に昇っていったという奇跡。誕生といえば、ブッダの誕生も不思議に満ちている。母の右脇から生まれ、生まれたばかりで7歩あゆみ、右手は天を、左手は地を指して「天上天下唯我独尊」と告げたという。これももの凄い驚き。ムハンマドの人生も劇的で、ふつうに結婚し、三男四女の子が生まれ、ふつうに過ごしていたある日、突如40才頃に啓示が下り、神の声を伝える預言者になったという。私は現在40才代であるが、この年齢にしてそのようなことがあるのかと驚きの思いで読んだ。

 本には開祖の生涯の他に、経典、聖書、聖典のことや、教え、宗派、死後の世界の考え方、それぞれの宗教の特徴について説明している。一般的に知られているようなことを中心に説明しているので、分かりやすく、すんなりと読むことができた。説明に徹した文章のため、情報として読み取ることができて良かった。特にイスラム教については勉強になった。今後、ニュースを見聞きする際には、以前よりも思慮深く聞くことが出来そうな気がする。

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