映画『ロード・オブ・ザ・リング』を見て、俄か『指輪物語』ファンになった人向けの書籍は色々出ているが、映画化へ至るまでの道のりを知りたいという人にはコレ。公式ガイドブックよりも手っ取り早いし、あちらには触れられていない事実も多い。
最初にトールキンが『指輪物語』を書くに至った経緯を取り上げ、続いてディズニーやキューブリックも食指を動かした映画化権の行方、遂に実現したラルフ・バクシ版『指輪物語』製作の過程、そして今回の映画化へというその流れは興味深い。特に『ホビットの冒険』や『王の帰還』のＴＶアニメ版に関する記述などは貴重。ちょっと得した気分になれる。また、計らずもバクシ版『指輪物語』のメイキングにもなっているので、ファンには更にお得。
ただし『指輪物語』のストーリーそのものについては殆ど触れられていないので、そちらに興味がおありの方は、別の書籍をあたって頂きたい。「この一冊ですべてがわかる！」というコピーもちょっと大げさ。

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