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「アルド・ナリス」(グイン・サーガ)
投稿日 : 2003/03/14 20:45
投稿者 Excalibur
参照先
クリスタル公爵。パロ第二王位継承者。
類稀な美しい容姿を持ち、キタラと歌の名手でレイピアの使い手。
”典雅の判定者”、”サリアの公子”、”美の裁断者”などとも呼ばれる。
そして中原随一の策士。
主人公であるグインが、ロバート・E・ハワードの産み出した蛮勇コナンの後継者だとすると
ナリスはその対極にある、マイクル・ムアコックのエルリックの系譜に連なる存在と言えるだろうか。

≪グイン・サーガ≫本編への登場は6巻から。
あまりにも個性的なキャラクターゆえに、ファンの間でも熱烈なナリス・ファンと
アンチ・ナリスとに大きく分かれた。
頭が良くて、剣の名手で、王子様だ、おまけにハンサムという、
これは厭味以外の何者でもないキャラ、というのが最初の印象だった。
あまりにも超人然としていて、それは主人公のライバル、敵役というタイプなのだ。
ところが巻を重ねるうちにその内面が徐々に窺えるようになり、
ああこの人もそれなりに悩み、苦労することがるのだなぁと
不思議に親近感を抱くようになっていった。
また、黙して語らずというタイプのグイン(最近はそうでもないが)に比して
ある種のトラブル・メーカーというか、物語のリード・オフ・マンの役目も担っていたので
この人が出てくれば、良くも悪くも物語が転がってゆくという期待感も抱かせてくれていた。
そして、当初よりキー・パーソンの一人として設定された存在。
このナリスと、そしてグインが出会ったときに世界はどう変わって行くのか・・・。

遂にその時がきた。87巻において。
それが実現したとき、ナリスは初めてその本質を露にする。
すべての仮面を脱ぎ捨て子どもの心に帰り・・・そして、ナリスはその生涯を終えた。
その日が来るのが確実に近づいていることはわかっていたものの
いざその瞬間がくると、なんとあっけないものだったのだなぁと感じられる。
物語は終局に近づき、大いなるうねりを見せ始めている。
しかしナリス不在の≪グイン・サーガ≫は想像つかない。
残された時間、物語の導き手を欠いて我々読者はどの道を辿れば良いのだろうか。
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