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「翔んで埼玉」
投稿日 : 2020/01/27(Mon) 19:06
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:武内英樹
製作:石原隆、村松秀信、遠藤圭介
プロデューサー:若松央樹、古都真也
原作:魔夜峰央
脚本:徳永友一
撮影:谷川創平
美術:あべ木陽次
衣装:田中まゆみ
編集:河村信二
音楽:Face 2 fAKE
主題歌:はなわ「埼玉県のうた」

<出演>
二階堂ふみ/GACKT/伊勢谷友介/ブラザートム/麻生久美子/島崎遥香/成田凌/中尾彬/間宮祥太朗/加藤諒/益若つばさ/武田久美子/麿赤兒/竹中直人/京本政樹/小沢真珠、他

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Re: 「翔んで埼玉」
投稿日 : 2020/01/27(Mon) 19:11
投稿者 久保田r
参照先
 1982年〜1983年にかけて漫画雑誌「花とゆめ」別冊にて3回連載された作品の実写映画版。原作は、代表作に『パタリロ』を持つ魔夜峰央さん。監督は、「テルマエ・ロマエ」「のだめカンタービレ」「電車男」などを手がけた武内英樹さん。主演は、都知事の息子役を演じた二階堂ふみさんと、10年の留学生活を終えて帰国したカリスマリーダー役を演じたGACKTさん。彼らが、古来より伝わる因縁の戦いに決着を付ける!

 先ずは、感想を一言で表そう。「何なんだ、この埼玉万歳作品は!」

 通行手形撤廃を求めて戦いを挑む埼玉県人に対して「誇りを持て!」と鼓舞しながら、その一方で「埼玉には海もなければ特産品もこれといって特にない」という自虐を表裏一体のごとく見せつけてくるので、応援してよいものやら「ださいたま」とけなしてよいものやら、ともかく虐げられてる埼玉県人だって時には熱い魂をぶつけることだってあるんだぜ!を、シュールにクールにホットにオーバーに描いている作品。

 この作品を見ると、吹っ切るって大事なことなんだなということを学ぶ。都知事の息子という優位な立場を愛する人のために吹っ切る勇気、通行手形撤廃の手段のためにライバル意識を吹っ切る勇気、そして何よりも性別を吹っ切る勇気。作品の中で中心的役割を演じているのは、みな中性的。男性率は高いものの、髪は長く妖艶なオーラをまとったキャラクターばかりで耽美さが漂っている。その中にあって二階堂ふみさんが演じた百美は、都知事の息子という立場でありながら確実にヒロインだった。だが、女性らしいヒロインではなく少年らしいヒロイン。ある意味これも中性的な役どころと言え、男らしさ女らしさをさておくことも演出の一つとして利用し、この仰々しいまでの仕掛けに凝った作品を純粋に楽しむがいいというエンタテインメント感満載の素晴らしい吹っ切れ作品。

 見ていて思ったのは、日本のエンタテインメントには時代劇のルーツがあってこそということ。バラバラな人心を一つにまとめるリーダーの振る舞いであったり、ピンチに颯爽と現れる助っ人であったり、ライバル県との合戦のシーンであったり。この川を挟んでの合戦シーンは、ものすごく楽しめた。出身芸能人のカード対決が大掛かり過ぎてばかばかしい。出したカードを見たリーダーが「弱い」と言った瞬間吹き出してしまった。できればこのシーンの最初には両陣営のリーダーの名乗りがあって欲しかった。

 総じて”お耽美”な作品。現代だからこそ支持を得ることができた作品のため、鑑賞するなら今。宝塚歌劇団のような華美と、ジャングルのような未開の地と、貧富の格差と、性別。これらをエンタテインメントとして楽しめる内容。そして最後にシラコバトはかわいいということ(なんのこっちゃ)。

 追記1。
 主演の二階堂ふみさんとGACKTさんは、沖縄県出身という事実。しかし、麻実麗のビジュアルはGACKTさんでしか演じられなかったであろうことも事実。

 追記2。
 ブラザートムさんと麻生久美子さんの演じた夫婦のバトルも楽しかった。

 追記3。
 ビジュアル重視のこの作品だが、意外にもアクションも楽しむことができる。

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