セリフらしいセリフの全くない１００分間というのは退屈そのものかと思っていたが、豈はからんや。
役者の力量と音楽の助けを借りて、じっくりと見せる作品となっていた。芝居の基本というものを考えさせられた作品である。ストーリーも、「火」を求めて旅に出た原始人の若者たちの冒険ドラマ、と至ってシンプルなもの。
ただ日本公開にあたって、冒頭に地球の誕生から人類の歩みを描いた短編アニメーションが付け加えられているのだが、これは不要。イメージソング＜アトラ＞をバックに広川太一郎の渋いナレーションが流れるもので、使われている地球の「絵」はどうも『ヤマト』の流用？

　　　　　　　　（1982/6/5　新宿ミラノ座）

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