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「ゴジラVSキングギドラ」
投稿日 : 2001/05/3 23:16
投稿者 Excalibur
参照先
大森一樹が手掛けた『ゴジラ』シリーズの第二弾で、通算では18作目。

監督は恐らく前作『ゴジラVSビオランテ』の反省点を、本篇と特撮のキャッチボール不足においたはずで、特撮に従属気味だった前作に比べ今回は本篇への引っ張りが多分に見られ、特撮映画としての完成度は高まったといえよう。

が、今度はドラマ部分の破綻がかなり目立っている。
タイムパラドックスの矛盾点には目をつぶるとしても、問題はドラマ上の悪役としての未来人の設定で、この為に物語の構図は「現代人VS未来人」となってしまい、二大怪獣の激突には必然性が無くなってしまった。二匹とも都合の良いように蘇生・復活させられて使われる道具でしかない。これでは怪獣映画としてのカタルシスをどこに求めれば良いのだろうか。

そもそも未来人の目的は、表向きは復活したゴジラの脅威によって壊滅的打撃を被っている未来の日本を救うために歴史上からゴジラを抹殺する、というものであった。ところが実際にはゴジラは復活しておらず、逆に超大国化している日本を弱体化させる為に、ゴジラの代りにキングギドラを誕生させて操ることが真の目的であることがわかる。問題はその後で、思惑通りキングギドラに日本を襲撃するのだが、実はやはり誕生していたゴジラが出現するや否や、ゴジラとキングギドラを激突させ、挙句の果てにキングギドラがゴジラに破れると「我々の目的はゴジラが果たしてくれる」と嘯く始末。日本の弱体化が狙いならば、ゴジラも好き勝手暴れさせ、キングギドラは要所要所でコントロールして攻撃させれば目的達成も早かろう、というもの。

音楽監督として伊福部昭を起用し、土屋嘉男をポイントとなる役で出演させる一方で、キングギドラの設定を変更する(やはりキングギドラは宇宙怪獣でなけりゃ!)といった具合にオールドファンを喜ばせたり怒らせたり、とやることも中途半端な本作品は、やはり何か食い足りなさが残ってしまった。
ところが俗に「平成シリーズ」「VSシリーズ」と呼ばれる作品の中では、かなり評価が高いのがどうにも是背無いのだが・・・。
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作品データ
投稿日 : 2002/01/05 20:21
投稿者 Excalibur
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製作:田中友幸
脚本・監督:大森一樹
プロデューサー:富山省吾
音楽:伊福部昭
特技監督:川北紘一

中川安奈/豊原功補/小高恵美
原田貴和子/佐々木勝彦/チャック・ウィルソン/山村 聡
佐原健二/小林昭二/西岡徳馬/土屋嘉男

1991年
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