表の顔は人生の成功者たる実業家、裏の顔はスリルを味わうために完全犯罪を目指す銀行強盗。この二つの顔を持つ男トーマスにスティーブ・マックィーンが扮し、彼を怪しんだ保険会社の調査員フェイ・ダナウェイとの知恵比べを展開する。
とはいうものの、マックィーンは＜怪盗紳士＞としては品がないし、ダナウェイもファッショナブルな点は認めるが、切れ者という雰囲気ではない。男と女のバカしあいや恋愛ゲームを繰り広げるにしては、２人ともオツムで勝負するタイプにはとても見えないのだ。トーマス役にはショーン・コネリーも候補に挙がっていたそうだが、どちらにせよ労働者階級タイプであり、せめてロバート・レッドフォードのようなタイプの役者でないと説得力がないだろう。
ラストのドンデン返しもさほどインパクトがあるとも思えないので、結局のところこれは騒がれているほどの傑作なのだろうか。

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製作・監督：ノーマン・ジュイソン
脚本：アラン・Ｒ・トラストマン
音楽：ミシェル・ルグラン

スティーヴ・マックィーン／フェイ・ダナウェイ
ポール・バーク／ジャック・ウェストン／ビフ・マクガイア／アディソン・パウエル
アストリッド・ヒーリン／ゴードン・ピンセント／ヤフェット・コットー／サム・メルヴィル

1968年　

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