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「A.I.」
投稿日 : 2001/08/09 00:51
投稿者 ヒラク
参照先
愛するという感情をインプットされた新型ロボットの物語り…。。

個人的には面白い作品だと思いますが、かな〜り複雑な印象を受けます。
たしかに賛否の分かれるであろう作品で、「E・T」のようなエンタテイ
メント系の作品をイメージしていた人にはかなり深刻なストーリーだった
と思います。少なくとも子供にはちょっと厳しい内容という気がします。

あくまで基本的にはキューブリックへのオマージュとなっていると思います。
2001年版「2001年宇宙の旅」と言いますか、「時計じかけのオレンジ」や
「シャイニング」にもつらなるアイデンティティーについての物語りに
なっています。・・・といってもぼくにはどの作品も相当に難解で、
「A・I 」を観終わったあとの感想もまずは「難しいなぁ〜。」という感じ
でした。

スピルバーグの作品としては「カラー・パープル」や「シンドラーのリスト」の
系譜に属すると思うのですが(ちょっと言い過ぎかな?)、スピルバーグの
人間観とキューブリックのそれとはやはり決定的に違うように思います。
そういうわけでキューブリックを好きな方にもちょっとすすめづらいし、
どこかスピルバーグがアウェイで試合をしているような違和感があります。
ただそこには本当にスピルバーグのキューブリックに対する敬意も同時に感じ
られるということでもあります。後半の展開やエンディングに批判もあるよう
ですが、それ自体キューブリック的なパラドックスになっていてスピルバーグの
想いが感じられるような気もするのですが…。

夏休み公開のエンターテイメントとしてはかなりツラいものがありますが、スピル
バーグ、キューブリック・・・といった先入観がなければ、あまりにも壮大な
大人向けのおとぎ話しとして充分に楽しめました。そしてもう一点は、なんと
いってもオスメント君ですね。ほんとすばらしい。スーパー・トイ「テディ」と
大澄賢也似のジゴロ・ロボットも必見です。

・・・なんか、スピルバーグ、キューブリックって一番こだわっているのは
自分ですね〜。
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作品データ
投稿日 : 2002/07/28 22:39
投稿者 Excalibur
参照先
製作:キャスリーン・ケネディ/スティーブン・スピルバーグ/ボニー・カーティス
製作総指揮:ジャン・ハーラン/ウォルター・F・パークス
原作:ブライアン・オールディス
脚本:スティーブン・スピルバーグ
原案:イーアン・ワトソン
音楽:ジョン・ウィリアムス
監督:スティーブン・スピルバーグ

ハーレイ・ジョエル・オスメント
ジュード・ロウ
フランシス・オコーナー
ブレンダン・グリーン
ウイリアム・ハート

2001年
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賛否両論も已む無し・・・
投稿日 : 2001/09/09 07:57
投稿者 Excalibur
参照先
未来版の「ピノキオ」物語。
この作品を一言で紹介するならば、こう表現するのが妥当だろう。
スタンリー・キューブリックのある意味での遺作ではあるが、題材としてはやはりスティーブン・スピルバーグ向き。逆にキューブリックならこの素材をどのように料理しただろうかということには大いなる関心があるのだが、それも叶わぬ今となっては純粋なスピルバーグ作品として見るのが正しかろう。
とはいうものの、出来あがった作品を見る限りでは、スピルバーグはキューブリック的なるものを模索し、何とかしてそれを自分の中に取り入れようと苦心した跡が散見される。とりもなおさず、それはキューブリックとスピルバーグの組み合わせで何を描き得るのかという見る側の期待でもあるのだが、しかしながらどんなにセットのデザインを無機的にしようが、セックスとバイオレンスを匂わせようが、スピルバーグはスピルバーグであってキューブリックたりえず、意識するが故にせっかくの素材の扱いが中途半端になってしまった嫌いはある。

何も知らず、いわば温室の中で育てられた少年がいきなり現実社会へと直面する。そこで様々な葛藤が生まれ、アイデンティティーを求めての彷徨が始まるわけだが、その辿り着いた結論が、自分の居場所は結局は楽しかった想い出の中にしか見出せず、過去へ回帰することで至福を得る、というのはあまりに哀しくかつ安直過ぎはしなかったのか。いきなりの時間経過も、異星からの訪問者も、それを可能ならしめる手段とはいえ唐突であるのは否めないし、これがキューブリックの、そしてスピルバーグの出した「人間の存在意義」に対する回答なのだろうか。

アメリカ本国では観客にソッポを向かれたが、日本ではどうやら大ヒット作の仲間入りをしそうである。スピルバーグ監督作でこうまで日米の評価が割れるのは珍しいことだが、宣伝展開の差や国民性の違いに起因するものなのだろうか。
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