聖人の名を使った12人の男に変装して、巨額の資金を有する組織に立ち向かう謎の男＜セイント＞。
原作小説は過去にも何度か映像化されているそうだが、有名なのはロジャー・ムーア主演のＴＶシリーズだろう。確か今回も、企画段階ではロジャー・ムーアが先代のセイントとして登場して、後輩を導くというものだったと記憶している（実際は声のみの特別出演。特徴ある声なので、ジックリ見てればすぐわかるハズ）。
肝心の主役の方だが、メル・ギブソンやピアース・ブロスナンが候補に挙がり一度はメル・ギブソンに決まったものの降板、結局は『バットマン＆ロビン』を蹴ったヴァル・キルマーに落ちついた。
実は原作もＴＶも知らないのだが、ロジャー・ムーアやメル・ギブソンのイメージから軽快で洒落た作品だと思っていたら、実際は暗い過去を背負った主人公のくら〜いお話だった。バットマンじゃあるまいし・・・。このあたりは原作にはないオリジナルらしいが。
予告編見る限りでは凄そうだと思えたヴァル・キルマーの変装も実は大した事もなく、総じて期待外れ。唯一楽しめるのがラスト・シークエンスで、スコットランド・ヤードを出し抜いて逃げるサイモン・テンプラーはカッコ良い。これがセイントの本来の姿なのかな、と思うのだが。
シリーズ化が実現していれば違った面も見られたのかもしれないが、現在は望み薄。

編集

監督：フィリップ・ノイス
製作：デビッド・ブラウン／ロバート・エバンス／ウィリアム・Ｊ・マクドナルド／メイス・ニューフェルド
脚本：ジョナサン・ヘンズレイ／ウエズリー・ストリック
ストーリー：ジョナサン・ヘンズレイ
製作総指揮：ポール・ヒッチコック／ロバート・Ｓ・ベイカー
音楽：グレアム・レベル

ヴァル・キルマー
エリザベス・シュー
レード・セルベッジア
バレリー・ニコラエフ
ヘンリー・グッドマン
エフゲニー・ラザレフ
イリーナ・アペクシモーバ

1997年

編集