トップページ > 記事閲覧 
「機動戦士ガンダム/逆襲のシャア」
投稿日 : 2001/12/29 23:44
投稿者 久保田r
参照先
原作・脚本・監督:富野由悠季
キャラクターデザイン:北爪宏幸/モビルスーツデザイン:出渕裕/メカニカルデザイン:ガイナックス、佐山善則/音楽:三枝成章/テーマ曲:TM NETWORK/企画・製作:サンライズ

<キャスト>
シャア・アズナブル:池田秀一/アムロ・レイ:古谷徹/クェス・パラヤ:川村万梨阿/ブライト・ノア:鈴置洋孝/ミライ・ヤシマ:白石冬美/ハサウェイ・ノア:佐々木望/チェーン・アギ:弥生みつき/ギュネイ・ガス:山寺宏一/ナナイ・ミゲル:榊原良子、他

<ストーリー>
 宇宙世紀0093年。シャア・アズナブル、地球連邦政府に宣戦布告。目的、地球に魂を奪われた人々の粛正。
 シャア率いるネオ・ジオン軍は、隕石落としを敢行する。ブライト率いるロンド・ベル隊は、これを阻止すべく、リ・ガズィに乗るアムロを筆頭に激しいMS戦を展開するが、性能上回るネオ・ジオン軍のMSの前に苦戦。奮闘虚しくフィフス・ルナは、地球へと落下する。シャアによる地球破壊の始まりとなる。
 連邦軍高官、アデナウア・パラヤは、ネオ・ジオン軍と和平交渉をする為にロンデニオンへ赴く。そこでシャアと会見をしたアデナウアは、和平が成立したと思い込むが、その交渉の場こそがシャアの次なる作戦への始まりであった。ルナツーにて武装解除をすると見せかけて、その隙に小惑星アクシズを地球へと落下させようというのだ。
 この作戦に気付いたロンド・ベル隊は、アクシズに向かい、アクシズ落下を阻止すべく戦闘を繰り広げる。アムロは、νガンダムに乗り、ギュネイ、クェス、シャアと戦う。様々な思念が渦巻く戦いの中でアムロとシャアの戦いは激しさを増して行く。
 核ミサイルを使ってのアクシズ落下阻止作戦に失敗したロンド・ベル隊は、アクシズに直接乗り込んで爆薬を仕掛け、分断させるという最後の作戦に出る。 死を覚悟しての総攻撃が開始された。しかし、分断は成功するものの、爆破の力が大き過ぎ、アクシズの後ろ部分は地球へと落下するという最悪の事態が起きる。
 サザビーを倒したアムロは、シャアの乗るコックピットを抱えたまま、地球へと落下しているアクシズの破片へ取り付く。テールノズルをオーバーロードさせ、アクシズの進路変更をしようとするアムロ。生き残りの他のモビルスーツも取り付き、中には暴走する機体までも出しながらアクシズ落下を食い止めようとするパイロット達の意思。アムロ、シャア、それに共振する人々の思念。
 白熱するνガンダム。そして、遂にνガンダムは、アクシズの進路変更に成功する。だが、そこにアムロとシャアの姿は・・・。
記事編集 編集
予告編
投稿日 : 2002/01/14 23:20
投稿者 久保田r
参照先
 角川書店から出ている「NEWTYPE 100% COLLECTION 逆襲のシャア[復刻版]」という、資料集というか、ロマンアルバムというか、この本を見ていて、富野さんの記事にふと興味を覚えて、この映画の予告編を見ました。
 富野さん曰く「予告編の出来が悪い」。
 私は、映画を、ビデオでそれこそテープが擦り切れるくらい何度も見ていますので、今になって予告編についてコメントするのは、順番が違うと承知もしているのですが、「逆シャア」につきましては、思い入れが深く、気になり出したら止まらなくなりまして、富野さんがそこまで言うのなら、どれほどの出来の悪さなのか見てみたいという気になりまして、秒数の短いものから長いものまで計4本の予告編を見ました。(LDに特別に収録されているものです)
 最も秒数の短いものは、10秒ほどですので、これと次の15秒ほどのは、単なるタイトル見せ、ということで論外として、次の30秒ほどのと、1分近いものについて感じたことを少し。
 30秒位のと1分位のでは、秒数の短い30秒位の方が良いと思いました。こちらの方が、使われている絵が良いです。予告編を作ったスタッフが、富野さんを筆頭とする映画スタッフではなかったということで、両者に意思の疎通がなく、予告編については、予告編スタッフだけの思惑で作られているということなんですが、30秒位のは、その予告編スタッフの狙いと、絵を見せ過ぎていない分だけ、映画への想像の幅があると思いました。
 秒数の最も長い1分位のは、シーンの繋ぎが雑に感じました。MSと戦闘シーン中心に作られてあって、そればかり見せられているような感じが少なからずするのです。ガンダムというのは、ロボットアニメで、戦闘アニメであるのは確かにその通りなんでけど、それらのシーンでも、絵の選択やシーンの繋ぎでもっと緊迫感が生まれたのでは、と思いました。
 予告編というのは、見せ過ぎてもいけないですし、見せ無さ過ぎてもいけない。加えて、秒数が長ければ長いほど、難しいものなのではないか、と、思っているんですが、これが予告編スタッフの、見に来て欲しい人の狙いなのか、と、考えると、若干複雑な気分もなきにしもあらず。
 「表現ジャンルや媒体を、こういうふうに使ったら、こういうふうにもなるんだよ」と、言う、富野さんが選んでいた予告編の絵をぜひ見てみたい、と、思った、予告編でありました。
記事編集 編集
思念、立場、願い・・・
投稿日 : 2001/12/29 23:50
投稿者 久保田r
参照先
 一年戦争が行われた年が宇宙世紀0079年。この年から十四年。この間に一度は、反地球連邦の一員として手を取り合ったこともある二人が、再び敵同士となって戦うストーリーです。アムロvsシャアという図式は、どちらがより強者か、という点から、見る者の意識を確実に引き寄せる材料となっています。
 ニュータイプの宿業か、彼らの生は脆さを孕んでいて、生きる為に戦うと言いながら、「奴を倒さねば死に切れない」という、『死』を意識した戦いに両者の魂は引き寄せられています。アムロの持つ優しさ。純粋過ぎるまでのシャアの思念。がっちりと手を取り合えば、理想の世界を作ることも可能であろう、この二人の魂は、他者の介入を良しとせず、一対一の戦いへと突き進んで行きます。
  この作品を見る上で目を引かれるのが、シャアの置かれている立場で、アムロは、ロンド・ベル隊の一員としてMSのパイロットに専念出来る立場であるのに対し、シャアは、ネオ・ジオンという組織を統べる者でもあるという点です。パイロットとしての自分を捨て切れないシャアは、挿げ替えのきかない総帥でありながら、アムロとの戦いにその身を投じて行きますが、組織のトップという視点から、総帥シャアの敵は、ロンド・ベル隊のトップ、ブライトでした。ブライトは、公人に於いては、ロンド・ベル隊を取りまとめる艦長で、私人に於いては、妻と二人の子供を持つ父親であります。どこまでも個を貫くシャアの台詞、「私、シャア・アズナブルが粛正しようと言うのだよ」。対する、命を預かる立場のブライトの台詞、「済まんな。みんなの命をくれ」。両者は、戦場で直接見えることはありませんでしたが、ネオ・ジオン軍とロンド・ベル隊の頂点に立つ二人の立場は、実に対照的であると思いました。
 ガンダムという作品を見る時、『家族』という名の命の繋がりが、切っても切れない密な要素として組み込まれています。それは、一年戦争で描かれたアムロの親子像であったり、シャアとセイラの背負わされた運命であったり、独裁を目論むザビ家の関係であったり、その後の作品に於いても、色々な形で『家族』が描かれています。この作品に於いてもそれは変わらぬテーマで、代表的なところで、ブライトとその家族、クェスとその父親、の二つの『家族』が描かれています。
 一年戦争では少年であったアムロも、十四年の月日を経て大人へと成長しています。アムロもシャアも自分の『家族』を形成して良い年齢となっていますが、パートナーは登場しても『家族』は登場して来ません。隕石を地球に落下させて、命の繋がりを断とうとするシャアに対し、アムロは、「貴様ほど急ぎもしなければ、人類に絶望もしちゃいない」と、命の繋がりを慮る人間です。ララァという同じ女性を愛しながら、同じ愛を共有出来ない二人。どちらが『家族』を形成するに相応しい人間であるか、というのは、見る者、感じる者により差は生じますが、作品中チェーンという女性に優しい瞳を向けるアムロは、他者からの影響を受けずに一人の女性を愛する男として描かれていて、チェーンとの未来を想像させる作りとなっています。
 今在る土壌から命を繋ぐことによって人類の革新を待とうとするアムロと、待つばかりでは自分の理想とする世界が生まれないことに業を煮やしたシャア。映画終盤のアクシズの破片の落下を阻止しようとするアムロとシャアの会話は、せめぎあう二人の魂の叫びのように聞こえます。敵同士となり、戦いながらも互いの胸の本当の奥底にある理想は一つなのではないか・・・。人類を生み出した地球の健やかな環境の存続への願い。私は、この映画を見る度に、地球(生命)を守れているか、という思いに包まれます。
記事編集 編集
音楽
投稿日 : 2001/12/29 23:48
投稿者 久保田r
参照先
三枝成章さんの音楽が、この作品世界を濃く、深く、盛り上げています。
 「MAIN TITLE」から始まる、冒頭のνガンダムの頭部が登場するシーンは、これからのストーリーの緊張感を伝えるに相応しい重みのある主題となっています。
 各々のシーン、台詞を覆う重奏なシンフォニックは、映像と共に耳に残り、作品を思い出す時に同時に音楽まで思い出す、そんな素晴らしい音楽であると思います。
記事編集 編集
件名 スレッドをトップへソート
名前
メールアドレス
URL
画像添付


暗証キー
画像認証 (右画像の数字を入力) 投稿キー
コメント





- WEB PATIO -