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「アトランティス/失われた帝国」
投稿日 : 2001/12/30 22:58
投稿者 Excalibur
参照先
「ウォルト・ディズニー生誕100周年記念作品」! 「ディズニー初の長編SFアニメーション」!
などなど景気の良い宣伝文句がかなり聞えてくる。
そのまんま受け取れば、「100周年記念作」に「初のSFアニメ」をもってくるなんぞ、老舗の割りにチャレンジ精神旺盛でその意気や良し!という感じなのだけど、見終わると結局いつもの「ディズニー印」で、外側だけ飾ったというか違うラップで包んだだけという印象。やっぱり観客は、ディズニー・ブランドに対しては安定したものを求めているだろうからそれが悪いわけじゃないけど、革新的なものを期待しちゃうと肩透かしを食らってしまう。
物語の時代設定は1914年だから、SFと言ってもかなり古いタイプの冒険モノ。その元ネタは、どうやらジュール・ヴェルヌの『海底20000マイル』らしい。らしい、というのはタイトルに原作クレジットがなくパンフレットにも一言も触れていないからだが、そういうことになってるようだ。まぁ類似点は殆どないけどね。
むしろ見ていて思い出したのは『ポカホンタス』だったりする。どこが似てるかって? 文明社会から来た少年(青年)マイロと未開文明の少女(実はアトランティスのプリンセス)キーダとのラブ・ストーリーになっているからだ。異なる文化に憧れる少女だから『リトル・マーメイド』のアリエルを引き合いに出してもいいかな。アトランティスは未開地じゃないやいという意見もあるだろうけど、かつては持っていた高度な文明が今はもう失われてしまった世界として描写されている以上同じことである。しかもマイロは白人でキーダは褐色の肌。これは意図的だろう。だから映画を見ていて既視感にとらわれることはあっても、新しさはまるで感じない。
せいぜい新しさを感じるとすれば、それはビジュアル面だろうか。
まずキャラクター・デザイン。ここ数年、所謂ディズニー・タッチとは違った絵柄の作品が増えているが、この作品もかなり異質で好き嫌いはハッキリ分かれるだろう。女性キャラが総じてアダルト・テイストなのも珍しいが、これはデザインに参加した著名なコミック作家の持ち味なのかな。
それに相変らずのCG多用。これじゃアニメじゃなくてまるで実写のSFX映画だよ。だいたいCGでメカニック描写に凝りだすと、それはアニメと実写の垣根を越えてしまう。ミニチュアを使った特撮をCGに置換えたように、アニメーターが描く代りにCGを使えば仕上り具合は所詮同じ。今後アニメと実写の差は、生身の人間がどれだけ芝居しているかでしかなくなるのかもね。アトランティスの飛行メカが飛び交う冒頭シーンや海中での潜水艦ユリシーズと海獣メカとの戦闘シーンなどなど、スタッフは『スター・ウォーズ』をやりたかったんじゃないかなぁという匂いがプンプン(?)。なにもアニメで『スター・ウォーズ』やらんでもいいじゃん、と思うけど実写映画だったらすぐ類似点など指摘されるだろうからね。
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作品データ
投稿日 : 2001/12/30 22:59
投稿者 Excalibur
参照先
監督:ゲイリー・トゥルースデイル/カーク・ワイズ
製作:ドン・ハーン
脚本:タブ・マーフィー
原案:カーク・ワイズ/ゲイリー・トゥルースデイル/ジョス・ウェドン/
    ブライス・ゼイベル/ジャッキー・ゼイベル/タブ・マーフィー
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード

(声)
マイケル・J・フォックス/ジェームズ・ガーナー/クリー・サマー/レナード・ニモイ
ドン・ノベーロ/クローディア・クリスチャン/ジャクリーン・オブラドース/ジョン・マホーニー
コーリー・バートン/ジム・ヴァーニー/フローレンス・スタンリー/フィル・モリス/デヴィッド・オグデン・スタイアーズ

<吹替版>
長野 博/木村佳乃/内藤剛志/吉田美和/柴田理恵/阪 脩
辻 萬長/富田耕生/家中 宏/銀河万丈/高島礼子/平 幹二朗

2001年
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そして本題・・・?(^^ゞ
投稿日 : 2001/12/30 22:59
投稿者 Excalibur
参照先
で、「類似点の指摘」となれば問題になっております「『アトランティス』盗作疑惑」!
何のことかと申しますと、「実は『アトランティス』って日本のTVアニメ『ふしぎの海のナディア』にソックリじゃな〜い?」という声が欧米のファンの間から持ちあがっているのだ。他にも『天空の城ラピュタ』に似てるぞ、という声も強い(まぁ詳しくは知らないけれど、元々『ナディア』と『ラピュタ』は同一企画から発展したものらしいんだけれど)。
あんまり議論が白熱するもんだから、ディズニー側は真っ向から反論。要は「『ナディア』なんか知らんぞ」というお答えらしいんですな。そこで『ナディア』の権利を持つNHKはディズニーに対して資料の開示を求めた。けれどもディズニーはこれを拒否しちゃう。いいじゃないね、資料見せるくらい。何の関係もないんならさ。で、これに対してNHKはどうしたかというと、映画公開にタイミングを合わせたかのようにBSで『ナディア』の再放送を始めるというわけ(苦笑)。見比べろってことかしらん(爆)。
この盗作疑惑に対しては、ディズニーファン(なんだろうな)からこんな反論も出てる。どっちも原作が『海底20000マイル』なんだから(『ナディア』ではしっかりと「原案」としてクレジット表記あり)、似ちゃうのも仕方ないでしょ、というのがその主張。ただこれは残念ながら説得力がない。何故なら似てるぞと言われてるプロットやらストーリーやらキャラクター設定やらは、ヴェルヌの原作にはない『ナディア』オリジナルの部分だからだ。また「ディズニー・スタッフが『ナディア』なんか知るはずもない」という強固な意見もあるけど、それってどうやって証明するの?
まぁ私の受けた感じとしては、う〜ん、偶然の一致にしては出来過ぎだよなぁというもの。
でもね、本当はこんな外野の騒動なんか抜きにして、純粋に作品を楽しみたかったなーというのが本音。見所はいっぱいあるんだし。ただ「ディズニー生誕100周年」を記念するならこういう形じゃなくて、ミッキーマウスやドナルドダックなどを使ったオールスター・キャスト物かなんかの方が相応しかったのかもね。ただこうなった以上、スッキリさせて欲しいとは思う。かつての『ライオンキング』騒動の後だけに尚更だ。
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