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「火宅の人」
投稿日 : 2002/08/22 22:18
投稿者 Excalibur
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企画:高岩淡/佐藤雅夫
企画協力/檀太郎
プロデューサー:豊島泉/中山正久
原作:檀一雄
脚本:神波史男/深作欣二
音楽:井上堯之
監督:深作欣二

緒形拳/いしだあゆみ/原田美枝子/松坂慶子/利根川龍二
一柳信之/大熊敏志/檀ふみ/石橋蓮司/井川比佐志
荒井注/下条アトム/山谷初男/宮内順子 

1986年
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日本アカデミー賞受賞の「ゲージュツ映画」
投稿日 : 2002/08/22 22:19
投稿者 Excalibur
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「火宅」とは「この世」「現世」「娑婆」などを表す仏教用語。作家・壇一雄の自伝的小説の映画化で、実娘・檀ふみも母親役で出演。主演、脚本、監督等の主要部門で多くの賞を獲得した。
子どもが重い病気にかかり、妻が怪しげな宗教にすがる家庭を捨て、新劇女優と同棲するなど自由奔放に生きた放浪の作家を描いた文芸作品としてヒットした。だがこの映画のセールス・ポイントはどう考えても原田美枝子と松坂慶子、この2大女優のヌードのはず。一雄と同棲する女優・恵子役の原田美枝子のヌードシーンは前半に、旅先で関係を持つ女・葉子を演じた松坂慶子は後半にとバランス良く配分された「見せ場」は、2時間を越える作品を飽きさせない為のテクニック。映画が「商品」である以上これは正しい戦略であり、また「文芸大作」を強調することによってある種の後ろめたさを低減しているわけだ。本当に「芸術作品」として畏まって見た人は少数派だと思う。そして「文芸の香り」を保つ為か、色っぽい場面が皆無のいしだあゆみ(妻役で鬼気迫る怪演を見せる)が主演女優賞を受賞している。
テンポも良く気取りもないので最後まで楽しめる娯楽作ではあるが、主人公には全く共感出来ずに戸惑うばかり。緒方拳の飄々とした味が出ているので面白く見ることが出来たのだが、人生に対する虚無感みたいなものはこのキャラクターには全くないのだろうか。一方チョイ役ながらも真田広之が演じた中原中也や、岡田裕介(現・東映社長!)扮する太宰治といったキャラクターに、破滅型のダンディズムといったものを見出せて興味深かった。こちらにも共感出来るわけではないが、少なくても見せ方としてはわかりやすい。
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