この作品を受け入れるまでには、いくつかのステップが必要である。
先ず第一番目に「ゴジラ」をハリウッドで製作することの意義はあるやなしや。全世界をターゲットにした「ゴジラ」の製作は是か非か。・・・まあ、これは条件付きで可としよう。勿論素晴らしい作品を作ってくれることが前提条件であるが。
二番目のステップとしては、発表されたＮＥＷ「ゴジラ」のデザインを認めるか否か。あの巨大イグアナだか大トカゲだかを「ゴジラ」と呼べるのかどうか。これは大きな難関で多くの人が脱落していった。「これこそ正にゴジラだ！」と断言出来る人はそう多くはないと思うが、とりあえず「このデザインもかっこいいじゃん」と感じた人は三番目のステップへ。
次はＮＥＷ「ゴジラ」のキャラクターについて。大都会のビルの谷間を、ヘリで追尾出来ない程の超スピードで駆抜ける俊敏な怪獣。こいつは「ゴジラ」なのか？　「う〜ん、とりあえず面白ければいいや」という方のみ最終ステップへ。
最後の難関、では「この映画は面白いのか？」・・・残念ながら私はここで脱落である。世界マーケットで勝負するゴジラには夢がある。多少のデザイン変更も認めよう。しかしあそこまで変えてしまったものを「ゴジラ」と呼ぶにはいささか抵抗がありはしないか？　放射能火炎を吐かなくてもいいけど、猛スピードでミサイルをひょいひょいかわすのは「ゴジラ」か？　またミサイルが命中するとあっけなく絶命する。それでも「ゴジラ」なんだろうか？　
まだストーリーが面白ければ「ゴジラ」と似て非なる別種の「怪獣映画」として楽しむ余裕も出来ただろうが、残念ながらそれもない。これは「ゴジラ」じゃなくて『原子怪獣現わる』のリメイクだ（プロデューサーはオマージュを捧げた、とコメントしているが）と思ってみたって、それじゃあ今度はリドサウルスに失礼というものだろう。
結局のところ、「ゴジラ」の知名度を利用しただけの、好き勝手な作品作りを許しただけに終わったようである。どちらかといえばこれまではエメリッヒ監督を認めていた私ではあるが、流石に今回だけはフォローのしようがない。

編集

とてもゴジラは迫力満点ですね
俺もとてもゴジラのゲームなどたくさんあります
映画も観ていて1回なくなった時はとても悲しかったです、ですがまた復活してくれてうれしっかたです
また、これからもじゃんじゃん映画を観ていこうと思います

編集

あの夏の、封切前の興奮と封切後の落胆とのギャップは大きかった・・・！
今となっては「良い思い出」と言えなくもないけれども、予告編があまりにも良く出来ていたのでついつい、してはいけない「期待感」などを抱いてしまったものだった。
まぁゴジラだと思わなければそれなりに楽しめるのではあるけれども、野心的な女性レポーターが、特ダネ欲しさに元カレを騙すとか、そういう人間ドラマもかったるいといえばかったるい。ゴジラそのものもあっけなくやられてしまい、「怪獣王」の面影はないし。ＴＶで見ていてもそう思う。
こうなると幻に終ったヤン・デ・ボン監督版を夢想してしまうのだが、『ツイスター』で描かれる竜巻をそのままゴジラに置換え、竜巻チェイサーならぬゴジラ・チェイサーがクレイジーにアタックする様を想像すると、ついニヤリとしてしまう。それなら今までとは一味も二味も違う、ハリウッドで作った甲斐があったと言えるだけの物になっていたかもしれないのだが・・・。
で、続編の夢を断たれ、今度は新作『ゴジラ／ＦＩＮＡＬ　ＷＡＲＳ』ではＺＩＬＬＡと名を変えて本家ゴジラと対戦するという。悪役に転落とは落ちぶれたな。

先だって「金曜ロードショー」で２度目のオンエアがあったが、吹き替えは前回同様、劇場公開＆ビデオ発売版とは違う「金ロー」新録版。ところがこれが、主役をはじめ微妙にミス・キャストなのがどうも納得いきません。高木渉のガラガラ声は２枚目のマシュー・ブロデリックには全く合っていないし、ジャン・レノに銀河万丈ねぇ・・・。脇は何気に豪華なので（合ってるわけでもないけど）、せめてこの二人を差替えた第３ヴァージョン作ってくれれば喜んで見ますが、もうやらないだろうな。
面白いのは、両ヴァージョンともアニマル役が堀内賢雄なこと。そんなに適役ですか？　ちなみに続編アニメ・シリーズではこの堀内賢雄が、映画ではマシュー・ブロデリックが演じていたニックというキャラクターの声だったりするので、余計ややこしい。

　＜ＴＶ放映版キャスト＞

マシュー・ブロデリック：高木渉／ジャン・レノ：銀河万丈／マリア・ピティロ：深見梨加
ハンク・アザリア：堀内賢雄／ケビン・ダン：谷口節／マイケル・ラーナー：石田太郎
ハリー・シアラー：野島昭生／アラベラ・フィールド：雨蘭咲木子／ビッキー・ルイス：小山茉美
ダグ・サバント：内田直哉／マルコム・ダネア：塩屋浩三

編集

監督：ローランド・エメリッヒ
プロデューサー：ディーン・デブリン
エグゼクティブ・プロデューサー：ローランド・エメリッヒ、ウテ・エメリッヒ、ウィリアム・フェイ
脚本：ローランド・エメリッヒ、ディーン・デブリン
ストーリー：テッド・エリオット、テリー・ロッシオ、ディーン・デブリン、ローランド・エメリッヒ
音楽：デビッド・アーノルド

マシュー・ブロデリック／ジャン・レノ／マリア・ピティロ／ハンク・アザリア
ケビン・ダン／マイケル・ラーナー／ハリー・シアラー／アラベラ・フィールド
ビッキー・ルイス／ダグ・サバント／マルコム・ダネア

＜吹替版キャスト＞

森川智之／菅生隆之／勝生真沙子／堀内賢雄
小山武宏／青野武／牛山茂／松本梨香
野沢由香里／梅津秀行／福田信昭

1998年

編集