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「宇宙戦艦ヤマト/完結編」
投稿日 : 2002/12/19 23:33
投稿者 久保田r
参照先
1983年3月19日公開 上映時間:2時間30分53秒4コマ

<スタッフ>

製作:(株)ウエスト・ケープ・コーポレション西崎義展/原作・設定・監修:松本零士/脚本:山本英明、笠原和夫、山本暎一、舛田利雄、西崎義展/チーフ・ディレクター:白土武/絵コンテ:白土武、遠藤政治/音楽:宮川泰、羽田健太郎/作詞:阿久悠/SF設定:豊田有恒/設定・デザイン:辻忠直/総作画監督:宇田川一彦/美術監督:勝又激/撮影監督:清水政夫/編集:千蔵豊/録音監督:林昌平/音響監督:田代敦己/音響効果:柏原満、伊藤克己/アソシエイト・ディレクター:山本暎一/エフェクト・ディレクター:高山秀樹/メカニック・デザイナー:辻忠直、板橋克己、出渕裕/キャラクター・デザイナー:宇田川一彦、高橋信也/文芸:横山和夫/設定:山本泰人、小塚憲夫/音響:小山光弘/戦略・設定制作:鶴見和一/助監督:棚橋一徳/製作進行主任:関口孝治/作画監督:高橋信也、金田伊功、角田紘一/演技指導:青二プロダクション/制作担当:佐伯雅久/監督:勝間田具治、西崎義展/総監修:舛田利雄/企画・原作・製作・総指揮:西崎義展

<キャスト>

古代進:富山敬/森雪:麻上洋子/沖田十三:納谷悟朗/島大介:ささきいさお、仲村秀生/真田志郎:青野武/相原義一:野村信次/太田健次郎:安原義人/南部康雄:林一夫/佐渡酒造:永井一郎/アナライザー:緒方賢一/徳川太助:古谷徹/山崎奨:寺島幹夫/加藤四郎:神谷明/藤堂平九郎:伊武雅刀/水谷艦長:小林修/地球防衛軍先任参謀:筈見純/ルガール:石田太郎/ルガールII世:津嘉山正種/ディンギル少年:伊倉一恵/ディンギル側幕僚A:納谷六朗/クイーン・オブ・アクエリアス:田島令子/デスラー:伊武雅刀/ナレーター:仲代達矢

<ストーリー>

 西暦2203年、銀河系に別の銀河系星雲が衝突。銀河系中心部の核恒星系は壊滅的なダメージを受けた。ヤマトは、調査のためデスラーの星へ急行するも、 ガルマン・ガミラス星は既に崩壊していた。
 地球への帰路の途中、ヤマトは正体不明の艦隊に襲われる。襲った敵は、水の惑星アクエリアスによって住むべき星を追われたディンギル星人。ルガール大総統率いるディンギル星人は、地球への強硬移住を決行する。
 ハイパー放射ミサイルの防御策もないまま冥王星海戦へと向かうヤマト。ヤマトは、敵大機動部隊に勝利することができるのか。
 地球の運命背負い今ヤマトが飛び立つ!
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調子に乗って語ります
投稿日 : 2007/09/14 15:18
投稿者 久保田r
参照先
 真田さん様、恐縮です。コメントありがとうございました。私も10代の時に『完結編』を見ました。多感な時期に見た作品だけに思い出深い映画です。

 今夏「劇場版 DVDメモリアルボックス」が発売となり、もう何度目のことか分からないけれども再びにわかに活気づいている「ヤマト」の映画。「1」〜「完結編」まで、最初からこういう流れで作りますよというビジョンがあって作られた訳ではないので、通して見ると”シリーズの筋”を見つけるのが難しく、商業的に作られた匂いを随所から感じ取ってしまうのだが、でもそれは「ヤマト」を取り巻く周囲の環境によってそうなって行った点も少なからずあるので、それらのことを踏まえて日本のアニメーションの歴史に於いて「ヤマト」は良くも悪くも重要な参考作品として今後も名を刻み続けることと思う。

 その中で「ヤマト」はこれで「終わる」と宣言して作られた『完結編』。これまでの作品も”シリーズの筋”を明確に示して作られて来たたわけではないので、『完結編』だからと言って何を終わらせるんだと、その終わらせる部分について非常に苦慮した点が見て取れるわけなのだが、とにもかくにも古代とユキを成就させるという一つの”シリーズの筋”は達したので、それは良かったと思う。だからこそ、公開から20年以上も経った今でもふたりのラブシーンは多くの人に支持されているのだと思う。

 次に、思い当たる”シリーズの筋”というのが古代進の成長ドラマで、「1」では、古代進の成長振りが感動を呼んだ。この部分をもう一度描くことは最後の作品としてはアリなのだけれども、そこでネックになるのは古代進は艦長になってしまっているという点で、これに関してかなり苦慮した結果が、沖田艦長の復活という設定。沖田艦長が最後の作品にもう一度登場するというのは、確かにドラマとしてはアリなのだけど、亡くなっていただけにこの点については誠に強引過ぎるな…としか言いようがない。でも、ラストのヤマトを爆発させる波動砲の引き金を引く役割は、沖田艦長以外には貫禄が足りないと思われるので、やはり沖田艦長に復活していただくしかないという苦渋の選択も分かる気がする次第。

 個人的には、沖田艦長の復活云々はこの際横に置いといて、古代進が艦長を辞めて一乗組員としてもう一度ヤマトに乗り組むという点には、大人の男への成長ドラマを感じる。映画では残念ながら艦長を辞する際の古代進の苦悩する泥臭い姿は描かれなかったが、古代進にしか分からない砕けたプライドと、そこから「もう一度ヤマトに乗り組みたい」という純粋な思いに至るまでの複雑な心の動きは、古代進の大人への必要な成長のステップだと思う。挫折を味わったことで古代進の精神面はより強く深くなり、大人の男としての経験を積むことになった。挫折の度合いが大きいほど、それを乗り越えた後、失くすことへの畏れに対して沈着な心積もりができるようになる。親友・島大介の死を自分の腕の中で迎え、父とも慕った沖田艦長の死を懸命に見届け、その後にユキとの愛に真正面から向き合った。そこには大人の男の表情があった。『完結編』は、やはり「ヤマト」ならではの成長ドラマがあったと思う。



(だから『完結編』は、語りだすと長くなるんだよなぁ…。くどくて済いません…)
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Re: 「宇宙戦艦ヤマト/完結編」
投稿日 : 2007/09/13 00:50
投稿者 真田さん
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映画を見に行きました。当時私は12歳。10歳の妹と見に行って一日中、4回見ました。その時は古代と雪のラブシーンがちゃんとありましたよ。私はこういうシーンを映画やテレビであまり見ないようにしていたのですが、(というか親から見てはいけないと言われていた)不思議と違和感なく見れたのを覚えています。結婚してちゃんと結ばれた夫婦が自然に行うことだからいうよりも、古代と雪が今まで培ってきた強い強い愛に納得させられたのです。全然やらしいとか、見ちゃいけないことだ思わなかったし、それどころかすごく綺麗だーと思って目も覆わずに見てました。
完結編で気になったのは雪ちゃんの古代君への強い思いです。とにかく、二つの挿入歌「二つの愛」と「ラブ・シュープリーム」にも出てくるように、今回の雪は前にも増して切羽詰まっている。早く古代君のお嫁さんになりたい!という気持が至る所で見受けられます。古代もそれを受け入れてる。コスモ・ゼロに一緒に乗り込む雪を素直に受け入れ、血を流している自分を気使って「大丈夫?」と心配そうに尋ねる雪に「ああ、一人じゃないからな」と言ってのける。雪は今まで古代の為に命を投げ出したり、好きでもない人から結婚を攻められて苦しんだり、好きな古代との結婚は度重なる騒動でなかなか出来なくて本当にかわいそうだったので最後にウェディング衣装を着れて本当に良かったです。ヤマトがなくなってやっと古代が自分だけを見てくれる、とすっごく幸せそうな顔してました...古代の胸に飛び込む雪、それを優しく抱きしめながら雪の頬にスリスリする古代、バックにはラブ・シュープリームの歌詞、「..その愛の全てを私に向けてほしいの、今だけは〜♪」が流れて何度見てもステキな場面です。
もっとパートVで出てきた乗組員たちを出してほしかったし、ディンギルの少年にもっと活躍してほしかったし、雪と古代のラブシーンを物語の中でもっと取り入れてほしかったし、いろいろ注文はあるのだけれどこの二人が結婚出来たので満足です。
それから、私は「何で古代を一端艦長にまでしてからあっさりと辞任に追い込むんだ!」と西崎sんに対して怒ってたんですが久保田rさんの「一度は艦長まで上り詰めた男が挫折してそれを乗り越えていく...」で少し考えが変わりました。もっと前向きになったというか。少し納得できたような気がします。ありがとうございます。
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Re: 「宇宙戦艦ヤマト/完結編」
投稿日 : 2006/05/26 22:37
投稿者 IN山梨11歳
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アクエリアスの海に沈んだヤマトの姿を見て泣きそうになりました
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ついに『完結』
投稿日 : 2002/12/20 01:03
投稿者 久保田r
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 今までの作品の集大成といえる作品。冒頭の創成期の地球は、ガミラスの放射能爆弾によって真っ赤に焼けた『1』の地球を彷佛とさせているし、大きな楕円軌道を回遊するアクエリアスは、『さらば』『2』の白色彗星を、圧倒的な武力でもって地球を制圧するディンギル機動部隊の姿は、『永遠に』の暗黒星団帝国の奇襲を思い起こさせる。そしてキャラクターに於いても、『3』で艦長になった古代が、沖田艦長の復活と共に戦闘班長という立場に立ち戻ったことで、これまでのヤマトの戦いと人物関係を同時に描きつつ且つリセットするという、これまでのヤマトのファンとこれからのファンの気持ちを同じスタート位置に立たせるという試みをしているように見える。傷ついたままのヤマトが、ディンギル機動部隊殲滅の為に地球を発進する姿は、不屈の闘志に漲っている。この勇姿に、燃えないファンは古今いないであろうと思うほどに。
 本来ならば、このヤマトが窮地に追い込まれ、古代が艦長を辞任するというシーンまで、懇切丁寧に描いても惜しみないストーリーであると思う。ましてや一度は艦長にまで昇り詰めた男が挫折し、再び「一乗組員でいいもう一度ヤマトに乗組ませてくれ」と至るまでには、他の誰にも想像出来ない苦悩があった筈で、これを描くことは、一人の男の成長ストーリーを描くうえで重要な要素であったように思う。しかし、「時間」という壁に阻まれ、心理描写を心行くまで表現出来なかったのは、ヤマトの最後のストーリーということで幾重にも詰め込まれた重圧な設定の中で致し方なく割愛していくしかなかったのかも知れない。この心理描写の不足さは、後半の島の死の際にも現われていて、今際の「俺はユキが好きだった」という台詞は、前半に島の気持ちの整理が描かれていなかったことから(テレサへの愛など)、やや急な展開な台詞となっていて、見る側の気持ちが付いて行けてない状態に聞こえる。もっともっと時間をかけて良いならば、もっともっと何の制約もなく、描き放題描くことが許されるのならば、デスラーが古代の投げた白バラを胸に礼を言うために地球へ来るまでの過程も見たかったし、療養していたという沖田の姿も見てみたかった。
 そういったキャラクターの細かい心理描写まで見たいと思うほど、この『完結編』は、銀河の衝突から古代とユキが結ばれるまでのシーンまで、とことん詳しく見たいと思う設定、シーンの連続で構成されている。最初から最後まで贅沢と言えるほどの濃密な内容とその構成は、これまでの作品の全てを背負ってなおあまりある重厚な内容となっており、ヤマト誕生から10年間を集大成した今作品は、文字通り全ての重みを抱え込んだ『完結編』なのだ。
 最後の海に墓標のごとく立ち上がるヤマトの姿は、勇ましく戦った姿を堂々と晒し、その後じっくりと重く静かに海中に沈んで行く姿は、最強の戦艦としての風格を湛えている。あらゆる手段が講じられて作品の都合によって生き返らせられて来たヤマト作品の一連の終結は、本当はもっともっと重いものでなければならないのかも知れない。それは捉える人によって評価は異なるだろう。だが、こんなもので終ってはいけないと思えるところにヤマトの凄さがあるのではないだろうか。一人一人にヤマトの終わりがあり、未来がある。それは、最初に見た時の感動を受け入れることが出来た人に与えられた特権なのではないだろうか。ヤマトのファンの数の分だけ『完結編』がある。それが、ヤマトが一貫して貫いて来た「愛」というテーマなのだと私は信じたい。
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ラブシーン
投稿日 : 2002/12/19 23:45
投稿者 久保田r
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 この作品を語るうえでこれを避けて通ると、意識して避けているのではないか、と思われてしまいそうな古代とユキのラブシーンについて。 (誰も思わないって/え、そう?)
 『完結編』の一番最初の公開日、ラブシーンはあった。確かに見た。だが、何日後かに見に行った時、カットされていた。何故カットになったのか不思議に思っていたのだが、後日その理由をプロデューサーのインタビュー記事で読んで知った。
 「止め絵」がなかったのだという。素晴らしい絵はいくつもあったのだが、生命の誕生を表す次のクイーン・オブ・アクエリアスに自然に吸い込まれていくための「止め絵」がなかったためにカットした、と、語っていた。
 なるほど。そうだったのか。と、一応納得。確かにこのラブシーンでは、次のクイーン・オブ・アクエリアスのシーンへ移るには、絵が足りないかも知れない。しかし、こんなことを言えるのも「今」の自分だからであって、公開当時10代半ばであった自分は、性というのは想像以上のなにものでなかったし、それだけにこれでも充分に意味のあるシーンであったと思うし、当時のアニメーション界の状態では、これでベターだったと思われるので、一旦見せたものを途中でカットしてしまうのはいかがなものかと今でもいささか思わないわけでもないのだが、作る側にしてみれば納得出来ないものを公開し続けるのは気分のよろしくないことであろうから、結局あのようなことになってしまったのは仕方のなかったことなのかなぁ、と、一応納得している。現在の描き手さんだったら、もっと表現豊かに見せてくれるだろうか。試しに作ってみて欲しいと願う今日この頃。
 プロデューサーがこだわった「絵」というのは、具体的にどういう「絵」なのかはわからないが、あのラブシーンに一言付け加えても良いということだったら、私は、古代の表情をもう少し入れて欲しいという要望を入れたい。なんとなく、ユキの表情に頼り切っているのがバランスがよろしくないように思う。幾多の困難を乗り越えてようやく結ばれたこの二人。ユキだけじゃく、古代の満たされた表情も平等に見たいと思うのは、ヤマトのファンとして当然だと思うのですが。(ね?そうでしょう?そうだよねぇ?/少しずつ圧力)。男性ファン、女性ファンのみならず、第一艦橋クルーの心配の種であったこのふたりの結びつきは、彼らの注目の的であるのは必定。そんな彼らの精神衛生上の為にもぜひ入れるべきだと。(ユキ以外の第一艦橋クルーはみんな男性だというツッコミはこの際横に置いておく/置いとくんかい)。
 とにかく、とにかく、そう進言させていただきたいと存じます。現在のアニメ関係者のみなさんどうぞよろしゅう。(誰も聞いとらんて)(っていうか、私こんなことここで言ってていいんだろうか〜ひえ〜)
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