トップページ > 記事閲覧 
「ゴジラ×メカゴジラ」
投稿日 : 2003/02/11 18:40
投稿者 Excalibur
参照先
監督:手塚昌明
製作:富山省吾
エグゼクティブプロデューサー:森知貴秀
脚本:三村 渉
音楽:大島ミチル
特殊技術:菊池雄一

釈由美子/宅麻 伸/小野寺華那/高杉 亘
友井雄亮/水野純一/水野久美/中尾 彬

2002年
記事編集 編集
Re: 「ゴジラ×メカゴジラ」
投稿日 : 2011/06/02 15:00
投稿者 久保田r
参照先
 シリーズ26作目にして過去3度に渡ってゴジラと対戦したメカゴジラ登場作品。ある嵐の夜、ゴジラが千葉県館山市に出現し、町を破壊する。ただちに「特生自衛隊」が派遣され、ゴジラを迎撃するが、雨によって武器の威力が落ち、ダメージを与えることができない。現場は混乱し、仲間の乗った車両が崖から落下。ゴジラによって踏みつけられ、死亡する。事態の責任を取った家城茜は、資料課へと配属される。政府は、「機龍」と呼称するメカゴジラの開発に取りかかり、およそ3年半後に完成。家城茜は、「機龍班」へ配属となり、対ゴジラ戦に向けて特訓の日々を送る。そして再びゴジラが出現。メカゴジラ出動の命令が下る。

 海から現れて町を破壊するというお決まりのシーンを迫力ある映像で描写しており、タイトルに恥じない暴れっ振りを見せてくれている作品であるけれども、ドラマの部分に目を転ずると少々惜しい感があちらこちらにあり、設定はよいのだが後一歩の踏み込みが足りないかな…という印象でもあった。

 メカゴジラのオペレーターが女性であるという設定は、現代的な感覚であると思ったし、女性の総理大臣の登場についても同様の感覚を感じたし、昔倒したゴジラの骨を利用してメカゴジラを作るという設定も、命の有り様について考えさせる作品の本質に沿っていると感じた。主人公の家城茜と絡む学者とその娘の設定もなかなかいいと感じたが、全体を通して登場人物の感情に踏み込んだ台詞や行動が少ないため、今ひとつ吸引力に欠けるようにも感じた。唯一、兄を失った葉山特自三尉が感情をむき出しにしていたのが異彩を放っていたように思う。

 登場人物のほとんどがお堅いキャラクターで埋め尽くされているためか、主人公の家城茜と絡む学者の湯原徳光とその娘の沙羅は、軟派なキャラクターとなっており、色んな意味で目立っており、重要キャラクター感ぽい雰囲気があったのは良かったと思う。だが、沙羅と茜の触れ合いの印象がさらっとしたものとなっているため、頑な茜の心がどこまで解けたのか分かり難かったのが惜しいところ。

 家城茜を演じた釈由美子さんは、なかなかいい感じだったと思う。線が細くなよっとした雰囲気がありつつも、体を張ったシーンやオペレートのシーンでは、タフさと芯の強さがあるところを見せており、硬派な雰囲気が出ていて良かった。作品のラストは、スカっとするものではないが、それもまた作品の意図するところかと。はからずも人間が生み出したゴジラの去り行く後ろ姿には、何とも言えない切ない後味が漂っている。
記事編集 編集
<機龍シリーズ>第1弾?!
投稿日 : 2003/02/11 18:42
投稿者 Excalibur
参照先
公開2日目と最終日の前日、計2回劇場へ。興行的には前作『GMK』には及ばないながらとりあえず及第点ということらしいが、公開当初は活気がありながらも、併映の『とっとこハム太郎』が終わるとこちらを見ずに帰る親子連れが続出。そして公開終盤ではガラガラの場内という実情を、関係者はどう受けとめているものやら。
さて、シリーズ26作目となった今回の対戦相手はメカゴジラ。前作で人気のモスラやキングギドラを使ってしまったため、残る大物は限られている。にしても前回の登場から9年ぶり4度目の登場、ちょっと消費のサイクルが早すぎやしないか。悉く新怪獣で失敗しているだけに知名度で勝負なんだろうが、過去の遺産で食いつないで行くジリ貧のシリーズ、というイメージは持ちたくない。
監督は前々作(『ゴジラ×メガギラス/G消滅作戦』)でデビューした手塚昌明。過去の対ゴジラ戦において挫折を味わったヒロインが、新たな戦いの中で成長し再起を遂げる、というプロットも共通しており新鮮味には欠ける上に、この家城茜という新ヒロインが魅力薄。『×メガギラス』のヒロイン辻森桐子に比べても独自性を打ち出すに至っていない。更に脇を固めるキャラクター群も今一つ描き切れず。特にメカゴジラ開発担当者の一人湯原博士の娘・沙羅との関り合いは中途半端。製作サイドではWヒロインを標榜していたのだが、無理矢理接点を持たせているかのように見える。二人の対立から和解に至る流れが不自然で、これならいっそオミットしてしまった方が茜のキャラが立ったのではないか。
これらの要因としては一時間半を切るという上映時間の短さもあるだろう。その反面弛れることなく一気に見せてくれるというのも利点で、単純に見ていて面白い映画には成り得ている。ヒロイン茜は魅力に乏しいとは言っても、演じる釈由美子は充分に魅力的。珍しく3枚目を演じた宅麻伸や、渋い上官役の高杉亘、憎まれ役を嬉々として演じた友井雄亮、ビシっと締めて美味しい所を持っていく中尾彬・・・と役者は揃っていてそれなりに見せ場も用意されている。それだけに人物描写の浅さが余計気になる、というか惜しいのだ。
その映画をテンポ良く盛り上げた音楽は、同じく『×メガギラス』から復帰した大島ミチル。何といっても今回は、『ゴジラVSビオランテ』('89)以降初めて伊福部昭のメロディが流れないが全く問題なし。伊福部昭の呪縛を完全に断ち切った!とまでは言わないものの、実に堂々たる風格を見せ今後のシリーズへの新たな展望を感じさせた。はたして<21世紀版ゴジラのテーマ>として定着なるのか、続投を希望したい。
新たな展望としてはもう一つ、メカゴジラ(正式名称を”機龍”という)のキャラクター及び作品の世界観が挙げられる。第一作目の『ゴジラ』の存在を除いて毎回設定をリセットしている<ミレニアム・シリーズ>(『ゴジラ2000/ミレニアム』('99)以降は便宜上こう呼ばれている)だが、今作品では『モスラ』や『フランケンシュタインの怪獣サンダ対ガイラ』などゴジラ以外の作品ともリンクさせている。ということはこの機龍をメインにした、対ゴジラに拘らない物語が構築出来得るわけで、続編もしくはスピンオフ作品の可能性が見えてくる。一つの岐路に立っているゴジラ、そのシリーズ活性化の一案として検討に値するのではないだろうか。
記事編集 編集
件名 スレッドをトップへソート
名前
メールアドレス
URL
画像添付


暗証キー
画像認証 (右画像の数字を入力) 投稿キー
コメント





- WEB PATIO -