「12人の優しい日本人」
投稿日 | : 2003/10/24 22:37 |
投稿者 | : Excalibur |
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もし日本に陪審員制度があったら、というシチュエーションで描かれる舞台劇の映画化で、元ネタは勿論『十二人の怒れる男』。本家では11人が有罪を主張するなか、一人だけ無罪を唱える男がいて、やがて全員が無罪を認めるという筋だが、こちらは逆に11人が無罪、1人だけ有罪という図式になっている。そして一時は大勢が有罪に傾いていくが、最終的には無罪になるというどんでん返しが面白い。皆がイラつきだし激昂するが一人だけ冷静な奴がおり(トヨエツ、怪演)、この男がジョーカー的役割を担って物語を引っ張ってゆく。なかなか先読みさせない展開だし、スター俳優は皆無だが個性派揃いの役者陣のぶつかり合いも楽しい。ただそれも、監督の力量というよりは脚本の巧さか。
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