「Presents 合い鍵」
投稿日 | : 2009/07/19 10:57 |
投稿者 | : 久保田r |
参照先 | : |
<スタッフ>
監督:日向朝子
プロデューサー:森谷雄、小穴勝幸
原作:角田光代「合い鍵」(双葉社刊「Presents」)、松尾たいこ(絵)
脚本:日向朝子
撮影:斎藤徳暁
音楽:野崎美波
<出演>
広末涼子/玉山鉄二/有村実樹/安田顕/真山明大/川口覚/池田香織、他
<ストーリー>
新しいプロジェクトを任されるなど仕事を優先にして来た由加里は、クリスマス目前に8年間付き合った恋人から別れを告げられる。悲しみに暮れ、翌日会社を休んで部屋の掃除をし、美容院に行って髪をバッサリと切った由加里は、バッグからこぼれ落ちた鍵に目を奪われる。
2006年 日本 アットムービー
Re: 「Presents 合い鍵」
投稿日 | : 2009/07/19 11:02 |
投稿者 | : 久保田r |
参照先 | : |
45分という短いタイムの映画であるので、必要な登場人物と演出と台詞に絞られてあり、雰囲気優先の作りがなかなか心地良いものとなっている作品。
主人公の由加里の年齢は、28歳。この年頃の女性と言えば、仕事を続けていても子育てをしていても社会的に責任感を求められる年齢に入っており、私生活が安定していればなおさら仕事優先となるのもやむを得ないところ。片や、8年間付き合った恋人のひろくんは、カメラマンとして独立したばかりで心身共に不安定な時期。そのような折に同業の女性に心が向いて行くのも時の流れとして仕方のないことなかも知れない。
冒頭で作品のキーワードとなる「合い鍵」が青い空をバックに登場するので、この合い鍵をもらうまでのハッピーなストーリーが描かれていくのかと思いきや、作品の前半で8年間付き合った恋人と別れるというショックな展開があり、束の間、冒頭の合い鍵の映像の存在を忘れるほどのインパクトさに引き込まれる。由加里のバッグからこぼれ落ちた合い鍵のシーンで再び合い鍵がキーワードとなって浮上し、付き合っていた頃の微笑ましいエピソードが展開され、悲しみからほんの少し解放されるまでの由加里の心情が描かれている。
恋の終わりは切ないもの。その切なさをゆっくりと噛み締め、自分の中に大切にしまいこむ心の揺れ動きが表現されている。