「人狼/JIN−ROH」
投稿日 | : 2000/12/23 01:43 |
投稿者 | : みずよ |
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始終曇り空のような印象を受ける映画で一言で言うと「暗い」。
絵的にもストーリー的にも、暗い。
そのあまりの暗さ加減にいろいろなシーンを見落としてしまう。
もっともそれは画面の暗さのせいでなくキャラの動きに不自然さを感じないためすんなり見れてしまうせいかもしれない。
虚構の物語とわかっていても、もしかしてこんな日本が存在していたかも知れない。と思わせるようなリアルな世界観がある。
緊迫した空気が満ちている映画だ。
そして禁欲的な映画だ。
登場する少女のスカートは短いが、地下を走ろうと、階段を登ろうと、滑り台から降りようと、ずるずるっとしゃがみこもうとも、けして中は見えない。
そこに監督の執念を見た気がする。
くちづけのシーンがすごくいい映画だ。
このシーンのためにこの映画はつくられたんじゃないかって思ってしまうくらいだ。
このシーンがなければ、私はこんなにこの映画を好きにならなかったと思う。
原作の「犬狼伝説」は途中で読むのを挫折した私。
でもこの映画は見て良かったと思っている。
脚本は押井守氏だが「人狼」は押井作品ではないことは明白だ。
けれど、人に薦めたい映画だ。
作品データ