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「キング・アーサー」
投稿日 : 2004/07/31 22:21
投稿者 Excalibur
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監督:アントワン・フークア
脚本:デイヴィッド・フランゾーニ
製作:ジェリー・ブラッカイマー
製作総指揮:マイク・ステンソン/チャド・オーマン/ネッド・ダウド
音楽:ハンス・ジマー

クライヴ・オーウェン/キーラ・ナイトレイ/ヨアン・グリフィズ
スティーヴン・ディレイン/ステラン・スカルスゲールド/レイ・ウィンストン/ティル・シュヴァイガー
ヒュー・ダンシー/ジョエル・エドガートン/マッツ・ミケルセン/レイ・スティーヴンソン

<日本語吹替版>
東地宏樹/弓場沙織/畠中洋/野沢那智/勝部演之/神奈延年 

2004年

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「キング・アーサー」の名の下に。
投稿日 : 2004/08/21 22:50
投稿者 Excalibur
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二度目となると、色々な意味でゆとりを持ちながら鑑賞出来る。確かに初見ならばヨアン・グリフィスのランスロットが目立っているが、改めて見直すとこの作品はアーサーの物語だ。ローマ帝国から下された非情な命令、故郷へ寄せる仲間の騎士たちの想い、その板挟みとなって苦しむアーサーの姿は正に中間管理職の悲哀。そう思うと地味で渋めのクライヴ・オーウェンは、適役だったのかも知れない。そしてそのアーサー中心に作品を追っていると、友を気遣うランスロットの押えた表情が際立って見えてくる。いやランスロットだけではない。ボースもダゴネットもトリスタンもガラハットもガウェインも、皆が皆男としての格好良さに満ちた存在に見えてくるのだ(それを考えればグウィネヴィアは余計だったかとも思えるが、彼女を挟んだアーサーとランスロットの微妙な駆け引きがドラマを転がせていることを考えればやはり必要なのだろう。もっともその描き方には疑問が残るが)。
因みに今度は字幕スーパー版を見たが、当人たちの「声」以上に日本語吹替キャストの「声」が英雄伝説に相応しく感じられた。字幕のこなれ具合の不満も含め、この作品の良さを味わうなら<吹替版>だろう。上映館が少ないのが残念ではあるが。
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ネタバレあり!
投稿日 : 2004/08/01 10:28
投稿者 Excalibur
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伝説の基になった物語という割に、この円卓の騎士の選択は少々疑問が残る。知名度から選んだのだろうが、ガラハッドは本来ランスロットの息子とされているキャラだし、そのランスロットも後になって伝説に加えられた人物。トリスタンに至っては無関係な別の伝説が採り入れられたものだからだ。
また『七人の侍』を意識したのかどうか知らないが、円卓の騎士がアーサー含めて7人しかいないのは如何にも寂しい。それに小人数の割にキャラクターの描き分けも今一つ。最強と謳われるランスロットは戦いでの見せ場が殆どないし(せっかく2本も剣を持っているのに!)、ガウェインもガラハッドもただいるだけ。ダゴネットは仲間内では最初に死んでしまうのでインパクトはあるが、キャラとしてはボースと被る。片や寡黙、片や饒舌と色分けされてはいるものの、基本的には一人の人物を二人に分けたような印象だ。となると実は一番目立っているのは鷹使いのトリスタンで、なかなか渋くて格好良い(マッツ・ミケルセンという役者は初めて知った)。だがこのキャラで『トリスタンとイゾルデ』が出来るかと言われると無理だろうな(こっちは現在『スパイダーマン』のジェームズ・フランコ主演で製作中)。そしてアーサー。あちらこちらで叩かれているが、やはりクライヴ・オーウェンは地味すぎる。<伝説の救世主>のカリスマ性が微塵も感じられず、何故騎士達が過酷な任務と知りつつ彼について行こうとするのか、その説得力にも乏しい。主体性にも欠け、周りに流されているだけに見えてしまうのもマイナスだろう。その分、ランスロット役のヨアン・グリフィズに女性ファンなどは流れているようだが、こちらも特筆するほど魅力的だろうか。もし仮にこの作品を『トロイ』並みのオールスター・キャストで作っていたら、少なくても集客効果はもっとあっただろう。それが作品に相応しいかどうかは別にして。
地味目の男性陣に代ってメインのキー・ビジュアルとなったのがグウィネヴィア役のキーラ・ナイトレイ。宣材を見るとまるで彼女の主演映画のようだが、その登場は中盤以降に限定。ドレス・アップした女性らしい部分と戦士としての両面を見せてはくれるが、『パイレーツ・オブ・カリビアン』ほどの活躍はないし見た目の美しさもあまり感じられず、彼女目当てに見ようと思っているファンには物足りないだろう。
戦いには勝利したものの、ランスロットとトリスタンを失い悲嘆に暮れるアーサー。だがその後に唐突にアーサーとグウィネヴィアとの結婚式が続く。ここで「アーサー王の誕生だ」と叫ばせる訳だが、これははっきり言って蛇足である。せっかくのしんみりしたシーンの後で、無理矢理ハッピーエンドにすることはないだろう。特にこの後は、じっくりと聴かせる主題歌が流れるエンド・クレジットだ。もっと余韻に浸っていたいと思ったのは自分だけではないだろう。またこのラストは続編の可能性も探ったもののようにも受け取れるが、ランスロット抜きではそれも難しそうだ。

等々、色々と苦言を呈してきたがそれでもこの作品は好きである。人を選ぶタイプの作品と思うので敢えて周囲には勧めないがDVDが出たら買うだろうし(劇場公開版はファミリー向けにソフトに仕上げたので、DVD版はもっと過激なものになるという)、その前にもう一度劇場へ足を運ぶつもりだ。
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宣伝には騙されるな。
投稿日 : 2004/07/31 22:22
投稿者 Excalibur
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最新の学説に基づいて真実のアーサーの姿に迫るという触れこみの、所謂アーサー王と円卓の騎士たちによる<中世騎士物語>とは一線を隔した、ユニークな最新版<アーサー伝説>。熱心なアーサーファンにはこの映画で展開される「真実」とやらが馴染まないだろうし、ブラッカイマー作品にありがちな大味な部分もなく、キャストが地味な点が一般客にアピールしにくいのだろう。大々的な宣伝の割りに評判も客の入りも芳しくないのだが、なかなかどうして面白い作品だった。
ただし<伝説の救世主>、<宿命の王妃>、<最強の騎士>、<闇の魔法使い>などのキーワードを散りばめた宣伝展開は頂けない。それでは新機軸を打ち出した作品に対して逆行した行為だ。これに惹かれて来た観客に対しても裏切り行為になる。そしてラスト・シーン。これがハリウッド流ということか・・・。それさえなければ(もう少し違った表現であったならば)諸手を挙げるところなのだが。
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