企画：大友克洋／渡辺　繁
製作：川城和美／宗方　謙／高須武男／森　隆一／近藤邦勝／吉井孝幸／島谷能成／長瀬文男／島本雅司
原案・脚本・監督：大友克洋
脚本：村井さだゆき
音楽：ＳＴＥＶＥ　ＪＡＢＬＯＮＳＫＹ
エグゼクティブ・プロデューサー：渡辺　繁
プロデューサー：小森伸二／富岡秀行

（声）
鈴木杏／小西真奈美／津嘉山正種／沢村一樹／斎藤暁／寺島進
稲田徹／相沢恵子／小林沙苗／日比愛子／森ひろ子／阪　脩
児玉清／中村賀津雄

2004年

編集

19世紀半ばを過ぎたイギリスを舞台にした冒険物語で、大友克洋が９年の歳月を費やしたという超大作。何故かこの時代には惹かれるものがあってそれだけでマルなのだが、登場人物も一癖も二癖もある連中揃いでワクワクさせてくれる。ただ２時間の内ほぼ半分がクライマックスという構成なのは、息つく暇も無く胃もたれしそうな満腹感。もうちょっとスッキリ整理してくれれば見易くなったものを。
エンドクレジットのバックは、如何にもな「その後」の描写。あからさまに続編の存在を匂わせて終っているが、さてどうなるか。一部では製作決定と報じられていたようだが。

ところでキャスト一覧を見ていただければわかると思うが、メインにはスタジオジブリ作品のように本職の声優さんが殆どいない。メンバー内には小西真奈美のように無難にこなしている人もあれば、中村賀津雄のように滑舌の悪さが非情に気になる人もいて、これは成功とは言い難い。一番巧さを感じさせるのは、やはり津嘉山正種だし。主役の鈴木杏は一生懸命さは伝わるのだが、少年役というか役柄としてはノー。叫ぶシーンなど聞いていて辛いからだが、この風潮、何とかならないものだろうか。作品の完成度を著しく貶めているケースが多く、残念である。
ジブリといえばこの作品、製作の遅れから公開が延期になった宮崎駿の監督作品『ハウルの動く城』に代って、夏の目玉として繰上げの代打上映されたものだが、本来ならこの作品も昨年に公開される予定が、間に合わずに延期になっていたものだから誇れることではない。いくら著名監督の作品だからといってこういうことが続いて良いはずはなく、このままジャンルが衰退して行かないことを祈りたい。

編集