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「レディ・ジョーカー」
投稿日 : 2005/01/05 14:14
投稿者 F20!
参照先 http://homepage3.nifty.com/HiroMacky/999iroha.html
あのグリコ森永事件をヒントにかかれた高村薫原作の大企業の社長誘拐を書いた作品。
そこに被差別部落問題、総会屋問題などが絡み込み、
最後まで結末が予測できない作品であった。

というか、原作を全然読んだことがないので、これから原作を読んで見ようと思う。
と思ったのだが、上下巻一冊1785円。高っ!Σ(゚Δ゚*)

映画は先入観が全くなかったので、サスペンス物としてはまぁまぁ面白いのでは?
ただし、最後は非常に痛い、というかもの悲しい。
結局、大企業の社長を誘拐してまんまと身代金を手に入れても、
誰が救われたんだろうと考えると切ない。

以前、渡哲也と永瀬正敏がやった『誘拐』という映画、
渡さんが大腸癌手術後の復帰作で都心を身代金持って走らされたやつですが、
あれも最後は非常に痛くもの悲しい作品で、それに通ずるところがあったと思う。
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Re: 「レディ・ジョーカー」
投稿日 : 2005/09/16 09:49
投稿者 久保田r
参照先
 「被差別部落」───このことが分かっていないと、この作品の生まれた要因や関係性などが頭の中で組み立てられなくて何を謂わんとしているのかを掴むまでに難儀する。映画の半分くらいまで来て、ああ…なるほど…とようやく自分の中に入って来た。そして、このことで、私がいかに差別の少ない時代に生まれたのかが分かった。

 現代でも差別が全くないと言えば嘘になる。生まれの違いで一生が左右されるのも確か。人を差別してはならないという教えが現代はされているものの、いつも割を喰うのは弱者というのがこの映画では語られている。リストラに喘ぐ人間たちが多い現代にこそ作られた映画だと思う。

 淡々と感情の底辺を攫うように作られている。私は原作を読んだことがないので、映画が原作の謂わんとしていることをきちんと伝えているかどうかは分からない。だが、全体的な生まれの違いや人種の差から生まれる物悲しさは伝わって来た。そして、スタッフと役者はこの映画をよく作っていたと思う。整理された演出がなされ、効果的なカメラフレームだった。カメラフレームは、フレーム内の情報が行き届いており分かりやすい映像だった。役者は、警察、企業、犯人グループのそれぞれの演技のまとまりが良く出ていたと思う。中でも吉川晃司は、組織への歪んだ抵抗心を皮肉なまでによく演じていた。

 それぞれに印象的な台詞がある。映画終盤に、渡哲也演ずる物井清三が長塚京三演ずる日之出ビール社長・城山恭介に言った、

「分からんよ。あんたらには分からない。ずっとなるように生きて、なるようにしかならん生き方があるってことを」

 は、ずしりと心に重かった。この台詞に尽きる映画。
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データ
投稿日 : 2005/09/16 09:48
投稿者 久保田r
参照先
監督:平山秀幸
原作:高村薫
脚本:鄭義信
撮影:柴崎幸三
音楽:安川午朗

<出演>
渡哲也/徳重聡/吉川晃司/長塚京三/國村準/大杉漣/吹越満/加藤晴彦/菅野美穂/辰巳琢郎/岸辺一徳
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