トップページ > 記事閲覧 
「ネバーランド」
投稿日 : 2005/03/05 20:23
投稿者 Excalibur
参照先
監督:マーク・フォースター
製作:リチャード・N・グラッドスタイン/ネリー・ベルフラワー
脚本:デイヴィッド・マギー
原作戯曲:アラン・ニー作”The Man Who Was Peter Pan”
製作総指揮:ボブ・ワインスタイン/ハーヴェイ・ワインスタイン/ミシェル・サイ/ゲイリー・ビンコウ/ニール・イスラエル
共同製作:マイケル・ドライヤー
音楽:ヤン・A・P・カチュマレク

ジョニー・デップ/ケイト・ウィンスレット/ジュリー・クリスティ
ラダ・ミッチェル/ダスティン・ホフマン/フレディ・ハイモア/ジョー・プロスペロ
ニック・ラウド/ルース・スピル/イアン・ハート/ケリー・マクドナルド
アイリーン・エッセル/ジミー・ガードナー/オリバー・フォックス
アンガス・バーネット/ケイト・メイバリー/ローラ・ドゥグッド

2004年
記事編集 編集
”ファインディング・ネバーランド”
投稿日 : 2005/03/05 20:24
投稿者 Excalibur
参照先
劇作家のジェームズ・バリを主人公にした、『ピーター・パン』の誕生秘話。というよりも、もう一つの『ピーター・パン』物語と言った方が良いかも知れない。
日課になっている散歩の途中で立ち寄った公園で、若き未亡人シルヴィアと4人の男の子たちと出会うバリ。その日からデイヴィズ一家との交流が始まるのだが、中でも父親を亡くしたことに一番衝撃を受けていた三男のピーターとはより深い絆で結ばれ、少年の心を持ち続けているバリと触れ合うことで、ピーターも少しずつ夢見る心を取り戻してゆく。だがそんな時、母親が重い病気だと知ったことで、ピーターは再び心を閉ざそうとしていた。
夢を追い続け、なおかつ他人の家庭に入れ込んでゆく夫を理解出来ない妻はバリの元を去り、また娘には夫が、孫たちには父親が必要だと考えているピーターの祖母にとってはバリは邪魔な存在。そしてシルヴィア自身も夢見る心を失いかけていたそんな時、新作『ピーター・パン』の舞台が幕を明けた・・・。
映画の冒頭では「事実の映画化」ではなく、「事実にインスパイアされた物語」だと断り書きが出るが、実際にバリの遺族からは「事実と違い過ぎる」とクレームがついたらしい。だからこそ最初に書いたように、”もう一つの『ピーター・パン』物語”として楽しむべきで、ファンタジーを産み出す過程での、もう一つのファンタジーなのである。
劇中で表現される<ネバーランド>の描写には少々失望させられたが、それを見せる(魅せる)までのクライマックスの盛り上げ方には思わずグッとくるものがあった。『ピーター・パン』の映画を見た人には、是非ともこちらも併せてご覧になることをお奨めする。
この作品でオスカーを手にするだろう、と言われたジョニー・デップは残念ながら選に漏れたが、個性の強さを抑えたのが逆に印象を弱めたのか、それとも4人の子どもたち、特にピーターを演じたフレディ・ハイモアに食われた感があるのがマイナスに働いたのか。結局アカデミー賞には作品賞、主演男優賞、脚色賞、編集賞、作曲賞、美術賞、衣裳デザイン賞の7部門でノミネートされたが、受賞は作曲賞のみという些か寂しい結果になったが、無冠に終わったゴールデン・グローブ賞に比べればマシというものだろう。
”大人版『ピーター・パン』”である『フック』でタイトル・ロールの海賊船長を演じたダスティン・ホフマンが、今回はバリの芝居を打つ興行主のフローマン役で出演しているが、役柄としてはあまり面白みのあるキャラクターではないと思うが、流石の存在感を示して映画全体を締めていた。また、少ない出番ながらも印象に残ったのはアーサー・コナン・ドイルを演じたイアン・ハート。言わずと知れたシャーロック・ホームズの生みの親とバリが友人関係にあったのは寡聞にして知らなかったが、物語に客観的な視点を導入した点からも重要なキャラクターになっていた。

          (2005/3/5 ワーナー・マイカル・シネマズ板橋 11番スクリーン)
記事編集 編集
件名 スレッドをトップへソート
名前
メールアドレス
URL
画像添付


暗証キー
画像認証 (右画像の数字を入力) 投稿キー
コメント





- WEB PATIO -