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「阿修羅城の瞳」
投稿日 : 2005/05/29 16:06
投稿者 Excalibur
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製作総指揮:迫本淳一
製作統括:久松猛朗/平井文宏/石川富康/西垣慎一郎/伊達寛/長瀬文男
企画・プロデュース:宮島秀司
プロデューサー:榎 望/森太郎/中村隆彦
原作:中島かずき
脚本:戸田山雅司/川口晴
音楽:菅野よう子
監督:滝田洋二郎

市川染五郎/宮沢りえ/樋口可南子
小日向文世/内藤剛志/渡部篤郎

2005年
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阿修羅=鬼?
投稿日 : 2005/05/29 16:08
投稿者 Excalibur
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劇団☆新感線の舞台劇の映画化。といっても話題になってたのを知ってるぐらいで、実際に生でお芝居を見たことはない。よって予備知識としては、予告編見て「面白そうだなぁ」と漠然と感じた程度。しかも公開後の口コミでの評判はあまり芳しくなかったので、一時は見るのを止めようかと思っていたくらい。それでも公開がもうじき終わりとなると諦めきれず、結局は足を運んだ次第である。

主演は舞台版と同じ市川染五郎だが、色気があって華もある。着物の着こなし、立振舞い、殺陣とどれも決まっているのは、流石幼い頃から伝統芸能に身を置く人だけのことはある。ただ台詞回しには難があって、これは役柄のせいもあるのかも知れないが、やっぱり舞台役者のものであって映画俳優としてのものではないってことだろう。これ一本でどうこう言うのは早計だが、今後映画俳優として大成するかどうかは、まだまだ未知数のようだ。
台詞回しといえばライバル役の渡部篤郎は、大仰な台詞回しの染五郎と対照的に、抑揚のないボソボソ喋りだったが、これはこれで聞き取り難いもんである。それにこれだけ芝居の質が違うと、演技が上手く噛み合ってないように感じられるのは残念。
それにヒロインが宮沢りえじゃなかったら・・・? まぁ百歩譲って普段の姿は良しとしても、「恋をすると鬼にな」っちゃった状態はちょっと辛い。反対に、チョイ役にすぎない沢尻エリカの可愛さの引き立て役になってるのはなんだかなぁ。もっとも可愛いとは言え彼女の芝居は浮いてるし、時代劇向きの顔立ちじゃないのでミスキャストではあるんだけど。

異界の者の総称を”鬼”と称しているこの作品の世界観はどうにも馴染み難いが――”鬼”というと自ずとやや異なる存在をイメージしてしまうので――、一風変わった時代劇としては「有り」だ。若い人にウケルのもわかるし、きっと外人さんにもワンダフルでファンタスティックでクールだとして(?)受け入れられるだろう。
重傷を負ったはずの主人公が、何の説明もなくクライマックスで大立ち回りを演じるのはどうかと思うし、そのクライマックスへ向けて加速度的に盛り下がってゆくのは、この監督の前作『陰陽師II』と同じ構造だったりとツッコミどころも満載。不思議なことに、どんなにCGを駆使しても画面全体が平板に見えてしまうのは何故だろう? むしろCGなし、SFXなし、セットも映画に比べればちゃちで、観客のイマジネーションに委ねる部分の多い舞台の方が、よりスケール感を感じられるのかもしれない。
ということで結論。ああ、生の舞台が見たい。

          (2005/5/21 ワーナー・マイカル・シネマズ板橋 12番スクリーン)
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