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「戦場のメリークリスマス」
投稿日 : 2005/12/24 11:46
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:大島渚
脚本:大島渚、ポール・マイヤースバーク
製作:ジェレミー・トーマス
原作:サー・ローレンス・ヴァン・デル・ポスト
音楽:坂本龍一

<出演>
デビッド・ボウイ、坂本龍一、ビート・たけし、トム・コンティ、他

<あらすじ>
1942年ジャワ日本軍捕虜収容所。隊長のヨノイは、新たに送られて来た捕虜、ジャック・セリアズに興味を抱き、心中を乱される。日本兵と捕虜の激しい摩擦の中、二人を取り巻く環境は過酷さを増して行く。

1983年 英日合作映画
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思い出こぼれ話
投稿日 : 2005/12/24 11:47
投稿者 久保田r
参照先
 公開当時「戦メリ、戦メリ」とよく口にしていたのを覚えている。当時私は中学3年生で、よく読んでいた雑誌が「戦メリ」を毎月のように取り上げていて、加えてY.M.Oにもハマっていたので、このビデオだけは絶対に買うぞ、と、お年玉やお小遣いを溜めて1万7千円ほどもするビデオを鼻息荒く買った。今にしてみれば、こんなに高いものをそんなに無理して買わなくても…と思うのだが、それが若気の至りなんだなぁ…。若い頃は多少無理してでもやりたいことをやるべき時があると思う。だからこうして忘れられない思い出として今書いている。(それにしてもあの当時のビデオはとっても高かった)

 で、15歳の自分に「戦メリ」が理解出来るわけもなく、当時はただひたすら眺めるのみ。坂本龍一とデビッド・ボウイにぽわ〜んとなっていたのだけれど、今見てみると(あ〜なるほど)と分かる事柄が多い。これも自分がそれなりに人生経験を積んで来た証。自分も大人になったのだなぁ…と再発見した。

 裁判のシーンで、内藤剛志が出演している。実直な頭の固い裁判員の役なのだけれど、彼らしさがぷんぷん出ていた。内田裕也は、軍人でありながらちょっと違う筋の人という感じで、ビートたけしは存分に演じていた。当時、何故、ビートたけしなのか?と不思議に思っていたが、今見ると役柄に合ったキャスティングだ。この映画は10代には小難しいが、大人にはなるほどと思える作品だと思った。
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Re: 「戦場のメリークリスマス」
投稿日 : 2005/12/24 11:47
投稿者 久保田r
参照先
 いわゆる生まれの違いによる精神論の衝突で、生き延びることを善しとする英国人と、死を美とする日本人の精神論の衝突が描かれている映画。強国日本は、自分たちのしていることを正しいと信じ、おめおめと捕虜となっている英国人が理解出来ず、ましてや個人の考えを主張する姿までにも腹を立て、すぐに暴力を振るうという戦時中の日本人の精神状態を描いている。

 えぐいシーンは無いまでも、すぐに死を求める日本人特有のショッキングなシーンがところどころあり、現在見ると、胸中に何ともいえぬ黒い沁みのようなものが広がり、不快感にも似た感覚を覚える。それが戦争の爪痕であり、集団でよってたかって行動した日本軍の行為であることは歴史に記す通りなので、これを戒めとして深く反省して行かなくてはならない。

 この映画は、戦争に翻弄される人間模様を描いているのだが、歴史的社会背景を横に置いて見ると、ヨノイがジャック・セリアズに心を奪われた話でもある。裁判所でヨノイはジャック・セリアズに一目惚れ。彼に興味を抱いたことから、ヨノイとその周囲が巻き込まれて行くことになるのだが、坂本龍一が演じるヨノイがジャック・セリアズを見つめる視線が艶っぽい。興味あるものを見つめる男の色気というものを帯びているので、二人の禁断の出逢いが、戦時中という極限状態の中で色っぽく描かれている。

 この映画のもう一人の主役、ビート・たけし。彼が演じるハラ軍曹は、粗野な男という荒っぽさを持ちつつ、人間味のある人物。適応能力があり、連絡係のローレンスを介して敵国のことを聞いたり「俺は死を恐れない」と、自分を主張したりする。お国のために行動する日本兵が多い中で、個で考えて行動することが出来る、戦後の日本でも生き抜くことが出来るであろう男であった。しかし、彼は、戦犯として処刑される運命に。処刑前夜、ローレンスと会い「メリークリスマス!ミスター、ローレンス!」と言う最後の笑顔が印象的。
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