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「メゾン・ド・ヒミコ」
投稿日 : 2005/12/31 09:44
投稿者 とりこ
参照先
監督 犬童一心 出演 オダギリジョー、柴崎コウ、田中泯

ゲイの父親がガンで余命少し。その父親の恋人がオダギリジョー。
父親が作ったゲイの為の老人ホームにお金の為に働く事になり、だんだんとその恋人に惹かれていく柴崎コウ。
ゲイのお話で、老人ホームの話で、恋愛モノで・・・いろんな要素が微妙に絡まったお話。

脳卒中で倒れ、植物状態になってしまったホームの老人って言っても、ゲイで元気だった人を今後どうするか、悩んだ末、カミングアウトせずに息子夫婦に引き渡すシーンがせつなくて印象的でした。
映像が全体的けだるい感じで素敵。
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Re: 「メゾン・ド・ヒミコ」
投稿日 : 2009/08/21 15:46
投稿者 久保田r
参照先
 リアルとファンタジーの境界を行きつ戻りつしているような雰囲気のする作品で、ゲイのみが集う場所に同性愛者ではないごく普通の若い女性の沙織が入り込むことで、ゲイのみで構成されていたファンタジーの世界にリアルが入り込み、また、リアルの世界にどっぷりと浸かっていた沙織の身にも少しずつ変化が表れ、「人を受け入れること」の摩擦と寛容さとが微妙なバランスを築きながら描かれている作品。

 ストーリーが繰り広げられる場所はごく限られていて、沙織の住むアパートと、沙織の勤める塗装店と、メゾン・ド・ヒミコの3箇所が中心となっており、沙織の生活空間は地味であるけれども、メゾン・ド・ヒミコの建物は、海岸に面したおしゃれな雰囲気の漂う室内となっていて(元がホテルだけに)、部屋の一つ一つが住人の個性が表れていて目にも鮮やか。女性らしい部屋もあれば、ファンタジックな部屋もあり、館長である卑弥呼の部屋は、天井が高くゆったりとした優雅さが漂う空間。そんな浮き世離れした場所へ、現実の社会で地味に生きている沙織が入り込み、ドラマが生まれてゆく。

 演出や美術のセンスが巧みな上に、この作品の雰囲気を決定付けているキャスティングの良さが、さらにこの作品を印象深いものにしているように感じた。役へのなりきり方が一人として外れがなく、この作品の世界観の中で見事にバランスが取れている。特に、卑弥呼と春彦のしっくり感は凄い。二人が並ぶと絵になるし、二人の間に流れる空気の一体感までもがよく表れていて、恋人同士というのが頷けるほど。卑弥呼の優雅な立ち居振る舞いと、若くて美しい春彦とのツーショットは、気品さえ感じられた。

 役者目当てで観ても十分に楽しめる作品だと思う。そして、そこからもう一歩。誰にでも訪れる老後と、もし身近に同性愛者がいて、その人が大病で倒れたら…。現実的にあり得なくはない可能性が描かれている。
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作品データ
投稿日 : 2009/08/21 15:44
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:犬童一心
プロデューサー:久保田修、小川真司
脚本:渡辺あや
美術:磯田典宏
音楽:細野晴臣
音楽プロデューサー:安井輝
助監督:池上純哉

<出演>
オダギリジョー/柴咲コウ/田中泯/西嶋秀俊/歌澤寅右衞門/青山吉良/柳澤慎一/森山潤久/井上博一/村上大樹/高橋昌也/村石千春/久保麻衣子/田辺季正、他

<ストーリー>
塗装店の事務として働いていた沙織のもとに、春彦と名乗る男が現れ「週1回、日曜日にホームの雑用をしてくれたら3万払う」と告げる。そこは、ゲイのための老人ホームで、ガンに冒された沙織の父が館長をしており、春彦は、沙織の父の恋人だった。

2005年
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