「パラサイト・イヴ」
投稿日 | : 2006/03/05 10:11 |
投稿者 | : Excalibur |
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原作ファンには不評である。
原作ファンからすりゃ「なんだ、こりゃ」と言いたくなるのもわかる。
あれだけスケールの大きな作品を、よくもまぁコンパクトにまとめちゃったな、と思ったのも確かである。
しかし結構難解な原作を、実にわかりやすく作り変えてるのも事実。ラストの改変も然り。
画面は予想よりも綺麗だったし、絵的にもわかりやすくなっている。演出もオーソドックスで、主人公が重大な決意をするシーンには土砂降りの雨に稲光! マッド・サイエンティストの描写には欠かせない小道具で、SF・ホラー系での常套手段ですな。
そして、そのマッド・サイエンティストを演じているのが三上博史で、こういう役は実に似合う。ちょっと他には思いつかない。
更にこれに、久石譲の泣かせの音楽が流れてくるわけで、それだけでもこの作品、認めてあげても良いかな、という感じだ。
ただ、ヒロインを演じた葉月里緒奈だけは今ひとつ。
<EVE>役は確かに雰囲気なのだけれど、オリジナルであるところの聖美に説得力がないのがマイナス。それにこれは彼女の責任じゃないが、夫役の三上博史よりも彼女の方が背が高いというのもビジュアル的にはどうも・・・。
兎にも角にも興行的にはヒット。
東宝&角川はこれ以降、冬場にホラー系の映画を定期的にリリースしていくこととなり、翌年には『リング』&『らせん』2本立てが大ヒットとなった。
(1997/2/18 新宿コマ東宝)