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Livespire「嵐になるまで待って」
投稿日 : 2009/03/11 20:35
投稿者 丘澄絵梨奈
参照先
演劇集団キャラメルボックス2008サマーツアー「嵐になるまで待って」

上映映画館:丸の内TOEI2

<ストーリー>
声優志望のユーリ(渡邊安理)は、アニメのオーディションに見事合格。その顔合わせの席には、俳優・高杉(石原善暢)と作曲家・波多野(細見大輔)、その姉で聾者の雪絵(温井摩耶)がいた。
そこで高杉と波多野は激しく言い争ってしまうことに。
雪絵にも詰め寄り、はずみで手を上げようとした高杉に対し、もの凄い形相で「やめろ!」と叫ぶ波多野。
その時、それを見ていたユーリの耳には波多野の“もうひとつの声”が聞こえた。「死んでしまえ!」と。翌日、高杉は行方不明となる……。

<キャスト>
ユーリ 渡邉安理
幸吉 土屋裕一(*pnish*)
波多野 細見大輔
雪絵 温井摩耶
広瀬教授 西川浩幸
滝島 久松重美
勝本 三浦 剛
チカコ 小林千恵
津田 阿部丈二
高杉 石原善暢

<Livespireとは>
ソニー株式会社がミュージカル・演劇といった舞台芸術や音楽イベントなどをデジタル映像化し、デジタルシネマの製作・配給を行なうサービスです。
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「嵐になるまで待って」2009/3/11
投稿日 : 2009/03/12 21:05
投稿者 丘澄絵梨奈
参照先
舞台化された作品を映画館で見るというのは、不思議な感覚でした。
2002年に生の舞台を初めて見たので とても思い入れのある作品でした。

キャストを確認したところ、役が同じなのは西川さんのみで、それ以外のキャストは総入れ替え。
どんな「嵐になるまで待って」になるのか、楽しみでした。

予告編の後に、「嵐になるまで待って」の本編が上映されました。
BGMに使用されている曲も、2002年の再々演のときとほとんど変わっていなくて、変わっていないなぁ…と懐かしさに浸りながら、見ました。

舞台と違い、スクリーンが大きいので 役者さんの表情やしぐさなどが大変よく見えました。

内容は、声優のオーディションに合格したユーリが顔合わせの席で、作曲家である波多野が高杉さんに言った「はなせ!」という言葉。この言葉のほかに彼女が「死んでしまえ!」という声を聞いたことから、ストーリーが展開していきます。
自分の2つめの声にユーリが気づいたことを知った波多野は、彼女から声を奪います。
失った声を、幸吉くんや広瀬教授の力を借りながら 取り戻していくというお話でした。

広瀬教授を演じている西川さんのアドリブには、爆笑でした。

ユーリ役の渡邉さんは落ち着いた演技をされていて 印象的でした。

幸吉くんは客演の土屋裕一さん。
演技はよかったんですが、私の中では最初に見た細見さんの印象が強すぎて、少しなじめませんでした。
前日に2002年公演のDVDを見ていたので、その影響もあるでしょう。

そして、今回変わったのが波多野を演じる役者さんです。
波多野以外にもキャスト変更の役者さんはいますが、一番大きく変わったのがこの波多野ではないでしょうか。

1997年、2002年と岡田達也さんが演じていたこの役。
たまには違う人が演じる波多野を見てみたいなあと思いました。

今回、波多野を演じているのは2002年公演で幸吉くんを演じた、細見大輔さん。

この役は今まで達也さんが演じられていたので、細見さんには相当なプレッシャーがあったことでしょう。
しかし、それをはねのけて 独自の波多野を演じていらっしゃいました。お見事でした。

声のトーンがかなり低く、目の演技が印象的でした。
目力のある方なんでしょうね。

ユーリが2つめの声に気づいたときに、ユーリをじっと見つめる場面があったんですが、その視線の演技がすごく怖かったです。 突き刺すような感じでした。
お話の後半では どんどん狂気が増していって…。とにかく怖かったです。

クライマックスで、波多野が傘をコツコツとやる音。この音にも鳥肌がたちました。
2002年公演を劇場で見たとき、この音にビックリしましたが 映画館でもこれを再現してくれるとは。

「ユーリ!!」と叫んだ後に狂ったように笑うところも怖かったです。
細かいところで、細見さんが独自の演技をされているなあと思いました。

達也さんの波多野は「ユーリ!!」と叫んだときが一番怖かったですが、細見さんはむしろ叫んだ後の笑いが怖かったですね。
「ユーリ!!」の部分はそれほどでもなかったように感じました。

もうひとつビックリしたのは、映像(カメラアングル)の凄さ。
これは、生の舞台では味わえないと思いました。

特に、波多野に操られた幸吉くんが飛び降りようとする場面と、最後の波多野と幸吉くんの殺陣の場面。
この2箇所は特に凄すぎて、息をするのを忘れるほどでした。
本当に嵐の中にいるような感覚でした。

幸吉くんが傘で窓ガラスを割る場面で、「死んでしまえ」と何度も言っていた波多野。

この細見さんのセリフはここで見たからこそ、聞き取れたセリフだと思います。
もし実際に劇場の客席で見ていたとしたら、ガラスを割る音や嵐などの効果音にこのセリフがかき消されてしまったのではないかなあと。

2002年公演の同じ殺陣の場面で、達也さんが「死んでしまえ」と言っていたんですが、劇場の客席で見たときはこのセリフに全く気づけず、DVDを見て初めてわかりました。
効果音の影響で、セリフがかき消されてしまったんだなあと思いました。

波多野が死ぬ場面では、思わず涙がこぼれました。
しぼりだすように言う、「僕はただ、姉さんを守るために!!」というセリフも切なかったです。
死に際の、細見さんの悲しげな表情が忘れられません。

今回、この映像を見て思ったんですが 波多野は自殺したのではなく、雷による感電死か何かではないかなあ…と。
ちょうどこの場面で、雷の効果音が入っていたような気がしました。
波多野が傘を胸に当てたときに、そこに雷が落ちて それで亡くなったのではないかなあと考えています。 あくまで、私の推測にすぎませんが。
今まで波多野は自殺だと思っていましたが、この映像を見て もしかして自殺じゃないんじゃ…と思いました。

最初は舞台作品を映画でやるなんて…という気持ちでしたが、大満足です。
とても楽しめました。
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