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「容疑者xの献身」
投稿日 : 2008/10/18 18:19
投稿者 Excalibur
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製作:亀山千広  企画:大多亮
エグゼクティブプロデューサー:清水賢治/畠中達郎/細野義朗
プロデュース:鈴木吉弘/臼井裕嗣  プロデューサー:牧野正/和田倉和利
原作:東野圭吾  脚本:福田靖
音楽:福山雅治/菅野祐悟
監督:西谷弘

福山雅治/柴咲コウ/北村一輝
ダンカン/長塚圭史/金澤美穂
品川祐/渡辺いっけい/真矢みき
松雪泰子/堤真一

2008年

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劇場版「ガリレオ」
投稿日 : 2008/10/18 18:21
投稿者 Excalibur
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原作はベストセラー作家東野圭吾の直木賞受賞作品。
大学の准教授を務める若き天才物理学者・湯川学が、大学時代からの友人で刑事の草薙俊平の依頼を受けて数々の不可能犯罪に挑むという物語は、既に『探偵ガリレオ』と『予知夢』という二冊の短編集にまとめられており人気を博しているが、これはシリーズ初の長編作品。

ホステスを辞め今は念願の弁当屋を開き、娘と二人暮らしの花岡靖子。ある日彼女の許を、元の夫である富樫慎二が訪ねてくる。
復縁を迫り、娘の美里まで利用しようとする富樫を止めようとした靖子は、弾みで富樫を殺害してしまう。途方にくれる靖子と美里に救いの手を差し伸べたのは、隣家に住む高校の数学教師・石神哲哉だった。石神は持ち前の頭脳を駆使し、母娘を守って完全犯罪を目論む。
富樫の死体が発見され、捜査に乗り出した刑事の内海薫や本庁から助っ人として乗り込んできた草薙らは靖子を重要な容疑者としてマークするが、彼女には完璧なアリバイがあり、操作は遅々として進まない。二人は湯川に協力を求めるが、湯川は関心を示さない。
しかし靖子の隣人が石神だと知ると、途端に興味を持ち出す湯川。実は石神は、かつて湯川が唯一天才と認めた友人だったのだ・・・。

二冊の短編集を原作としたTVドラマ『ガリレオ』が、フジテレビの「月9」枠で放送。
原作では湯川と草薙のコンビで語られる物語が、ドラマ版では相棒役が草薙(北村一輝が演じている)ではなく女性の新人刑事・内海(演じるは柴咲コウ)に変えられたり、原作者が佐野史郎を想定したという湯川のキャラクターを、頭脳明晰なだけでなく、容姿端麗、スポーツ万能に変えて福山雅治に演じさせたりと、改変振りは目立ったもののドラマは好評を博し、満を持しての映画化が決定。
・・・ではなく、当初からこの作品の映画化を前提にしたメディアミックス戦略だったとのこと。

ドラマ版では湯川のキャラがかなりデフォルメされ、ドラマそのものもコミカルな要素を強調していたため、この映画版もその延長線上にあるのかと思いきや、意外なほど原作に忠実に作られていた。
勿論ドラマ版の続編という側面もきちんと残され、湯川のパートナーは内海であり(とはいうものの、ドラマ版ではセミレギュラーに留まった草薙の比重はより大きくなってはいる)、ドラマ版用に作られたレギュラー・キャラクターの多くも顔を見せるなどドラマを楽しんでいた人にも配慮はあるが、仮にドラマ版を知らなくても楽しめるように作られてはいる。
そして元々の原作では湯川よりも石神の方の出番が多いのだが、この映画版でも湯川は決して出しゃばることなく、作品を構成するパーツとなりおおせている。
映画の軸としては、宣伝にもあるように「天才数学者VS天才物理学者」の知能戦、駆け引きの妙を前面には出しているが、その比重は、より”悲劇の天才数学者”石神にある。

そして圧巻なのは石神を演じた堤真一の演技。
原作を読む限りでは堤真一は全く石神のイメージではないのだが、出来上がった作品では見事なはまり役。
儚げな女性を好演した松雪泰子と相俟って、この作品をきっちりと引き締めてくれている。
ドラマとしての構成の妙、トリックの妙、そして役者のアンサンブル。
不必要かと思われる改変部分や、明らかにミスキャストと思わせる配役、やや過剰とも思える演出など不満部分はないでもないが、まずは見応え充分のミステリー作品。
そして何よりも”純愛”を描いたラブ・ストーリーとして、この作品を大きく推しておきたい。
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