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「不滅の恋 ベートーヴェン」
投稿日 : 2008/03/23 15:55
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:バーナード・ローズ
製作:ブルース・デイヴィ
製作総指揮:スティーブン・マクヴィーティ
脚本:バーナード・ローズ
撮影:ピーター・シャシスキー
音楽演奏:マレイ・ペライア、エマニュエル・アックス、ヨー・ヨー・マ、ロンドン交響楽団
美術:イリー・フルピー、ジョン・マイヤー
編集:ダン・レイ
字幕:松浦美奈

<出演>
ゲイリー・オールドマン/イザベラ・ロッセリーニ/ヴァレリア・ゴリノ/ヨハンナ・テア・シュテーゲ/ジェローン・クラッペ/マルコ・ホーフシュナイダー/ミリアム・マーゴリーズ/クラウディア・ショルティ/クリストファー・フルフォード/アレクサンドラ・ピッグ、他

<ストーリー>
偉大な作曲家、ベートーヴェンが亡くなり、残された遺書には「私の楽譜、財産の全てを”不滅の恋人”に捧げる」と記されてあった。ベートーヴェンの弟子であり友人であったシンドラーは、ベートーヴェンの恋人であった女性たちのもとを訪れる。

1994年 アメリカ ギャガ・コミュニケーションズ=ヒューマックス・ピクチャーズ
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Re: 「不滅の恋 ベートーヴェン」
投稿日 : 2008/03/26 00:04
投稿者 Excalibur
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ベートーヴェンの死後、自筆の遺書が見つかった。そこには「私の楽譜、財産の全てを<不滅の恋人>に捧げる」とだけあり、相手の女性の名前も、イニシャルさえも記されてはいなかった。生涯独身だったベートーヴェンの<不滅の恋人>とは一体誰なのか? 弟子で友人だったシンドラーは亡き師の願いを叶えるべく、その女性を探し始める。

研究者によると、ベートーヴェンの<恋人>候補は10人程度おり、未だにその謎は解き明かされていないという。この作品ではその候補者を3人に絞り、その内の一人が<恋人>なのだと結論付けているが、それも仮説の一つに過ぎず、今日ではむしろ否定されてしまっている。
しかし、シンドラーが探偵宜しくベートーヴェンが情熱的な愛を捧げた女性を探していく過程は、ロマンティック・ミステリーとして充分に楽しめるものであり、ベートーヴェンがどんな人生を送ったのか、というようなことを知らなくても問題はない。

ゲイリー・オールドマンのベートーヴェンは実にらしく、イザベラ・ロッセリーニ、ヴァレリア・ゴリノ、ヨハンナ・テア・ステーグらが彩りを添えている。
最近では『敬愛なるベートーヴェン』でエド・ハリスが、気難し屋で偏屈ながらお茶目なベートーヴェン像を作り出しているが、狷介孤高としたゲイリー・オールドマンのベートーヴェンも捨てがたい。
なお、音楽監督はサー・ゲオルグ・ショルティ。ヴァイオリンのキドン・クレーメル、チェロのヨーヨー・マら錚々たるソリストたちを揃え、彼自身が指揮を執ってロンドン交響楽団がベートーヴェンの楽曲を奏でている。
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Re: 「不滅の恋 ベートーヴェン」
投稿日 : 2008/03/23 15:57
投稿者 久保田r
参照先
 この映画の印象的なシーンは、ピアノに耳を押し付けて演奏しているシーンで、このシーンは映画の前半で早々に登場するが、実に孤独且つ優美なシーン。ピアノに身を委ね、ピアノと一体感となり、自らの弾く音の世界にただ一人浮遊する様子が美しく映し出されている。

 ベートーヴェンを演じているゲイリー・オールドマンが、”頑固で偏屈者”というベートーヴェンのイメージを貫き通し、且つ音楽家でありながら聴覚障害という致命的な障害を持つベートーヴェンの絶望的な孤独を演じ切っている。ベートーヴェンの音楽には、幅の広い土台のような強さもありながら一方で繊細で華麗な美しさを持っており、そんなベートーヴェンの内面を見事に演じていたと思う。

 映画では、3人の恋人を通してベートーヴェンの人となりや過去、生い立ちといったものに触れており、芸術家らしい波瀾万丈な生涯が描かれている。伏線がきめ細かく張られてあり、さらりと流れるように見てしまう感があるが、後になって気付き、そのシーンを反芻することで内容に深みが増す作品となっている。

 後半の印象に残っているシーンは、「交響曲第九番より」の演奏が流れる中、幼いベートーヴェンが全力で夜の道を走り抜け、池の水面に身を横たえ、満天の星空に吸い込まれていくシーン。このシーンは、ベートーヴェンの心中を映像化しているもので、ベートーヴェンの心の解放と歓びが伝わって来る。

 ラストに近付くにつれ、子供が美しい存在に描写されていることに気付く。これは私的な感想だが、甥のカールに執着したベートーヴェンの姿に監督が託したロマンのようにも感じられた。
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