「キング・コング」(2005)
投稿日 | : 2006/04/02 18:02 |
投稿者 | : Excalibur |
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喧伝と違い必ずしもオリジナルの1933年版の忠実なリメイクというわけではなく、随所に今回のオリジナル要素が盛り込まれていますが、1933年版への目配せというか、ちょっとした小ネタも散りばめられていて、気づいた人はニヤリでしょう。
例えば主演女優を探す際に候補としてフェイ・レイの名前を挙げていたり(勿論1933年版の主演女優です。しかも「今はRKOで撮影中だからダメだ」なんて台詞もあります。RKOというのは1933年版の製作会社のこと、つまり映画版『キング・コング』をこの世界でも作っていたということでしょうか?)、ヒーロー役のジャック・ドリスコルは今回、一等航海士だった1933年版と違って劇作家に変更されていますが、替わりに役者のブルースというキャラクターを作って、これに1933年版のドリスコル役だったブルース・キャボットを投影させたり(劇中劇のシーンで、わざわざ1933年版のアンとジャックの会話を再現しています)、終盤のコングのショーの場面でオーケストラが生演奏しているのは1933年版のマックス・シュタイナーの音楽だったり、といった具合です。
1976年版も決して悪い出来だったとは思わないのですが、恐竜さんがウジャウジャ出てくるだけでも今回の作品に軍配が上がりそう。ヒロインのアンとコングの関係にしても、一方通行だった1933年版、相思相愛(?)の1976年版の丁度中間、少しずつコングに心を開いていく様などは出色だと思います。またアンを演じたナオミ・ワッツも魅力的。
ただし、いかんせん188分という上映時間は長すぎです。コングが出てきてからは比較的ハイテンポで進むとはいえ、半分にとまでは言いませんが、せめてあと1時間ぐらいは刈り込んだほうが面白くなったように思うのですが。
作品データ