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「極底探険船ポーラーボーラ」
投稿日 : 2007/10/08 14:21
投稿者 Excalibur
参照先
秘境に恐竜の生き残りが生息している、という”ロスト・ワールド”テーマの作品。
アメリカのランキン=バス・プロと日本の円谷プロとの合作による劇場用作品として製作されたが、アメリカではTV放映のみ、日本では劇場公開が実現。後に『最後の恐竜/極底探険船ポーラーボーラ』と改題してビデオ発売された。
製作はアーサー・ランキン・Jrと円谷皐、監督はアレックス・グラスホフと小谷承靖の共同で、特撮監督は佐川和夫。出演はリチャード・ブーン、ジョーン・ヴァン・アーク、中村哲、関谷ますみ、スティーヴン・キーツ、ルーサー・ラックリーら。1976年の製作。

本編演出は冗漫でだるい、特撮のテンポは快調、というのが世間一般の評だが、正にその通りとしか表現しようのない作品。ストーリーは取り立てて面白くはないし、本編と特撮は乖離しているし、音楽は良くないし、役者陣にも魅力ナシ。
ところが特撮に関しては、冒頭の飛行機や飛行場、あるいは主役メカのポーラーボーラ号がいかにもミニチュア然としていることや、ブルーバック合成(だろうな)での色調の違いが気にはなるものの、それ以外のカット割りやオープンを多用したカメラアングルは、TV画面を通じてさえ(ビデオで鑑賞しております)、かなりの迫力。

それに個人的に驚いたのは全て日本でロケされているということ。ミニチュアやマットアートとの合成があるにせよ、日本にもまだこんな景色の場所があったんだな、と単純に感動した。人によっては、どう見ても日本の山の中にしか見えない秘境(一応、北極圏という設定)はおかしいという声もあるようだが、良い雰囲気醸し出してると思うがなぁ・・・(ちなみにロケ地は長野県の大正池とのこと。行ったことないけど)。
またこの頃の円谷プロは、第二次怪獣ブーム終了後の模索の時期で、人形アニメとセルアニメを融合した『恐竜探検隊ボーンフリー』などで新境地を開拓していたが、この作品での恐竜はお家芸とも呼べる着ぐるみによる表現に戻っている。しかしながら怪獣然としていないその表現は充分に評価出来る(この着ぐるみは『ボーンフリー』の後継企画『恐竜大戦争アイゼンボーグ』へ流用された)。
ただ特撮シーンが凄ければ凄いほど、恐竜の生物感がリアルに描写されていればいるほど、本編のどうしようもないだるさが気になってくる。それさえなければA級の傑作は無理でも、B級の秀作になりえていたと思うので非常に残念・・・!
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