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「王の男」
投稿日 : 2010/05/26 15:57
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:イ・ジュニク
製作総指揮:キム・インス
原作:キム・テウン(演劇「爾」)
脚本:チェ・ソクファン
撮影:チ・ギルン
衣装:シム・ヒョンソップ
音楽:イ・ビョンウ
アートディレクター:カン・スンヨン

<キャスト>
チャンセン:カム・ウソン/コンギル:イ・ジュンギ/ヨンサングン:チョン・ジニョン/ノクス:カン・ソンヨン/チョソン:チャン・ハンソン/ユッカプ:ユ・ヘジン/チルトゥク:チョン・ソギョン/パルボク:イ・スンフン、他

<ストーリー>
16世紀初頭の時代。旅芸人のチャンセンとコンギルは、コンギルの体を売ろうとした一座から抜け出し、漢陽の都へと流れて来た。博打や芝居で小銭を稼いでいたチャンセンたちは、王の悪評を耳にし、それを芝居のネタとした。その噂が宮廷へと届き、チャンセンたちは捕えられてしまう。

2006年 韓国
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Re: 「王の男」
投稿日 : 2010/05/26 16:00
投稿者 久保田r
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 韓国で”史上最悪の暴君”として実在した王、燕山君(ヨンサングン)をモチーフとしている作品。宮廷での宴で披露された自分のことをからかった芝居を気に入ったヨンサングンは、芸人たちを宮廷に住まわせ、気の向いた時に楽しむという享楽に耽る暮らしを送っていた。ヨンサングンは女形のコンギルを気に入り、度々二人で人形劇などをして遊ぶようになる。芸人たちが重臣をからかう芝居をすると、実際に職務で悪事を働いた重臣を罰したり、母殺しの芝居をした時にはその場で皇太后が亡くなったり、先帝の愛妾たちが王の手によって殺されたりした。居心地の悪くなったチャンセンら芸人たちは宮廷を去ろうとするが、コンギルに官職を与えられ、なかなか出ていくことができない。ヨンサングンの暴君振りが日ごとに増し、宮廷の中が殺伐としていく…。

 DVDのジャケットには、コンギル役を演じたイ・ジュンギが綺麗な衣装と美しいポーズで収まっており、評判ではイ・ジュンギの妖しい美しさを称えているものが多く、てっきりイ・ジュンギが主役なのかと思いきや、いや確かに主役級ではあるのだけど、ストーリー全体を仕切っているのは実はチャンセン役のカム・ウソンで、彼の役にはまり切った体当たりの芝居にみるみる引き込まれていく作品であった。

 ヨンサングンの暴君振りは凄まじかったし、元芸妓のノクスのしたたかさ振りや、対をなすコンギルのしとやかさ、国のために王の気持ちを操ろうとしたチョソンの働きなど、見どころがたくさんあった。これらの見どころを奥行きにあるものとしているのがヨンサングンとチャンセンの存在で、二人の不幸な過去や生い立ちが、ストーリーに深みを与え、劇的なドラマを生み出していた。

 少し残念に思うのは、コンギルの個人的な事柄が描かれていなかったこと。そのため、何故チャンセンがああまでコンギルのことを強く慕っているのかが伝わって来なかった。女性と見紛うほど美しい青年が、何故旅芸人となり、チャンセンと運命を共にしようと思うほどの絆を手に入れたのか。その辺りが描写されてあると、終盤がもっと悲劇的かつ感動的になったような気のする作品であった。
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