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「ブレードランナー」
投稿日 : 2010/07/29 17:28
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:リドリー・スコット
製作:マイケル・ディーリー
製作総指揮:ハンプトン・ファンチャー、ブライアン・ケリー
原作:フィリップ・K・ディック
脚本:ハンプトン・ファンチャー、デヴィッド・ウェッブ・ピープルズ
特撮:ダグラス・トランブル
デザイン:シド・ミード(舞台設計)
編集:テリー・ローリングス
音楽:ヴァンゲリス

<出演>
ハリソン・フォード/ルトガー・ハウアー/ショーン・ヤング/エドワード・ジェームズ・オルモス/ダリル・ハンナ/ブライオン・ジェームズ/ジョアンナ・キャシディ/M・エメット・ウォルシュ/ウィリアム・サンダーソン/ジョセフ・ターケル/ジェームズ・ホン、他

<ストーリー>
レプリカントを始末する仕事人「ブレードランナー」のデッカードは、強制的な依頼により地球に密航した4体のレプリカントを追っていた。レプリカントの寿命は4年。感情を持ち始めたレプリカント達は、「記憶」と「命」を求め、自分達を作り出した企業のトップへと会いに行く。

1982年
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Re: 「ブレードランナー(完全版)」
投稿日 : 2010/07/29 17:34
投稿者 久保田r
参照先
 2019年という近未来を舞台としている作品。作品の中の世界は、車が自由に空を飛び、街中の至るところに映像が溢れ、様々な人種がひしめきあって暮らしており、そして人間そっくりのレプリカントのいる世界。レプリカントを製造している企業のトップのタイレルは、人間を超えるレプリカントを作り出すことに意欲を燃やしており、彼によって作り出されたレプリカントは、そのあまりの精巧さに感情を持ち始め、やがて自分が人間なのかレプリカントなのかという悩みに突き当たるようになる。他の惑星を抜け出し、地球へと密航した4体のレプリカントは、己の悩みの解明のためにタイレル社を目指す。そういったレプリカントの勝手な行動を取り締まる特捜の「ブレードランナー」のデッカードは、4体のレプリカントを始末するために捜査を始め、次第に追い詰めていく…。

 ストーリー上の主人公は、レプリカントを追う「ブレードランナー」のデッカード。だが、作品世界を振り返った時に常に心に思い浮かぶのはレプリカントの存在で、このレプリカントの存在が実は非常に大きく、人間によって生み出され、人間並みの能力を与えられながらも、人間の都合により4年という寿命が定められてしまっている「彼ら」の存在が、とても刹那的で人として感情が揺さぶられる。

 作品の全体的な印象は、薄暗く、いつも雨。ラストシーンを除いては一切太陽が現われず、いつもネオンが眩しく点滅している夜か、雨。雨または水がちょろちょろと流れているシーンが多く、およそ健康的な未来世界の光景とはなっておらず、環境破壊が進んだが故の光景なのか、全体的に退廃的なムードが漂っており、様々な人種が肩を寄せ合うようにしてそれぞれの母国語を話している光景もまた、人口過密を迎えた未来世界を思わせた。印象的だったのは、日本の企業の広告看板や映像、日本食の店などが度々登場したこと。他にもアジアンムードがそこかしこに漂っており、近未来に於けるアジアの存在感というものが感じられた。

 作品の印象を簡単に言い表すと、暗い近未来。どこにもハッピーな要素が感じられない作品であるけれども、おそらく現実的にも未来にはこの映画に登場したレプリカントのような存在が人間によって生み出されることと思うので、その時に直面するであろう人間と人間が作り出した命(レプリカント)との間に生じる感情の摩擦や揺れ動きについて想像し得る事柄がよく表現されている作品であると思う。

 デッカードを追い詰めながらも仕留めなかったロイの最後の台詞が心に痛く染み入る。映像と共に流れる音の響き(効果音など)が、どれも音楽的なリズムが感じられて美しかった。その筆頭、ヴァンゲリスの音楽がとても切なく、一度聞いたら脳裏に焼き付く美しくも印象的なメロディー。
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