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「ガメラ 大怪獣空中決戦」
投稿日 : 2011/06/03 16:53
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:金子修介
製作:池田哲也、萩原敏雄、澤田初日子
プロデューサー:土川勉
製作総指揮:徳間康快
脚本:伊藤和典
撮影:戸澤潤一
特撮監督:樋口真嗣
怪獣デザイン:前田真宏
怪獣造形:原口智生
美術:及川一
編集:荒川鎮雄
音楽:大谷幸
音楽プロデューサー:三浦光紀
主題歌:爆風スランプ「神話」
製作:大映、日本テレビ放送網、博報堂

<出演>
藤谷文子/小野寺昭/中山忍/伊原剛志/本田博太郎/蛍雪次朗/長谷川初範/本郷功次郎/久保明/渡部裕之/松尾貴史/袴田吉彦/夏木ゆたか/石井トミコ/渡辺哲/風吹ジュン/真山勇一/木村優子/若林健治/永井美奈子/大神いずみ/中村明美/古賀之士/田辺稔、他

1995年
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Re: 「ガメラ 大怪獣空中決戦」
投稿日 : 2011/06/03 16:57
投稿者 久保田r
参照先
 大映の誇る名怪獣「ガメラ」と、翼竜を模した怪獣「ギャオス」との戦いを、見事スケールの大きいドラマに仕立て上げた力作。プルトニウムを輸送していた船がある夜、太平洋沖で"巨大漂流環礁"と接触した。放射能漏れはなかったものの、責任を重く受けとめた米森一等航海士は、海上保険調査会社と共に調査に乗り出した。一方ある嵐の夜、得体の知れない"鳥"が、姫神島を壊滅した。集落の人間が全員いなくなっており、調査に訪れた鳥類学者の長峰真弓は、巨大な"鳥"たちと遭遇する。巨大な"鳥"たちは、人間を襲うため、捕獲作戦が行われたが、その巨大な"鳥"たちを捕獲する場である福岡ドームになんと"巨大漂流環礁"と目されていたガメラが出現し、事態はパニックに陥る。巨大な"鳥"は、やがてギャオスという名であることが明らかになり、ガメラとギャオスの壮烈な戦いが始まった。

 この手の怪獣特撮作品は「ゴジラ」以外に観たことがなく、この「大怪獣空中決戦」が「ガメラ」の初鑑賞作品となったが、見始めて間もなくして「何とよく出来た設定とドラマであることか」と、ぐいぐいと前のめりになるように興味を大きく引かれて集中して鑑賞した。ガメラとギャオスという現実にはあり得ない二大怪獣の存在を、現実の出来事のように捉え、架空の生き物でありながら架空ではないリアリティをストーリーと演出によって人間ドラマとも絡めて一つの作品としてまとめ上げている。失礼ながら怪獣特撮作品に対してここまでのものを期待していなかった私は、目が覚める衝撃を味わい、ガメラとギャオスのキャラクター設定と、登場人物たちのキャラクター設定のリアリティさ、ガメラと人間とを繋ぐ役割を担った浅黄(あさぎ)という少女のキャラクター設定とに、作り手たちの熱意の高さと、見る者が作品に対して望む事、作り手たちが作品を見ている者に対して見せたい物といった多くの事柄が多角的に考えられ、盛り込まれた密度の濃い作品に仕上がっていると感じた。鑑賞直後、監督及びスタッフの力量とセンスとに率直に感動した。

 リアリティのある設定とストーリーが光っているのはもちろんのこと、キャストも光っている。浅黄を演じた藤谷文子さんの日本人離れした雰囲気、仕事では貫禄があり家では優しい父親を演じた小野寺昭さん、一連の事件にのめり込んでいく責任感の強い米森一等航海士を演じた伊原剛志さん、人間のエゴを押し付ける環境庁審議官を演じた本田博太郎さん、昭和の雰囲気をまとった大迫刑事を演じた蛍雪次朗さんなどなど個性的で魅力的な登場人物たちが、作品を盛り上げている。そして何と言っても鳥類学者の長峰真弓を演じた中山忍さんが素晴らしい。凛とした強さと抜群の行動力の持ち主である長峰真弓というキャラクターを熱演し、ストーリーを引っぱり尚かつ分かりやすくしている。徐々に距離の縮まっていく伊原剛志さんとの絡みも良かった。

 日本テレビのアナウンサーが度々ニュースを読み上げるなど、リアル感を上げる演出の多さもさることながら、自衛隊のシーンが多いのも作品の緊張感を高めている。これらの設定の他、主役であるガメラの見せ場も迫力満点であり、息をのむほどの"破壊の美学"が詰まっている。爆発、炎上、人工的建築物との対比、自然との対比、ギャオスの放つ超音波メス、ガメラの放つプラズマ火球などが色彩豊かに映し出されている。怪獣特撮作品の名物である都市の破壊シーンは、迫力満点の一言。また、壊れた東京タワーの上にギャオスが羽を下ろすシーンは、美しい。
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