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「大奥<男女逆転>」
投稿日 : 2011/08/14 16:40
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:金子文紀
プロデューサー:荒木美也子、磯山晶
エグゼクティブプロデューサー:豊島雅郎、濱名一哉
ラインプロデューサー:鈴木嘉弘
美術プロデューサー:竹村寧人
原作:よしながふみ「大奥」
脚本:高橋ナツコ
監督補:芝崎弘記
撮影:喜久村徳章
音楽プロデューサー:志田博英
VFXスーパーバイザー:小坂一順
衣装デザイン:小川久美子

<出演>
二宮和也/柴咲コウ/堀北真希/大倉忠義/中村蒼/玉木宏/倍賞美津子/竹脇無我/和久井映見/阿部サダヲ/佐々木蔵之介/細田よしひこ/竹財輝之助/松島庄汰/ムロツヨシ/崎本大海/三上真史/金子ノブアキ/白羽ゆり/田上晃吉/宍戸美和公/浅野和之/板谷由夏/菊川怜、他

2010年
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Re: 「大奥<男女逆転>」
投稿日 : 2011/08/14 16:42
投稿者 久保田r
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 手塚治虫文化賞マンガ大賞、文化庁メディア芸術祭マンガ部門優勝賞などいくつかの賞を受賞した<男女逆転>の「大奥」を描いたマンガの映画化。主演は、嵐の二宮和也さん。将軍吉宗公は、柴咲コウさんが演じている。

 若い男子ばかりがかかるという謎の疫病「赤顔疱瘡(あかづらほうそう)」の流行により、日本の男子の人口は、女子の四分の一にまで減少する。家の主は女子がほとんどで、将軍もまた女子の継ぐところとなり、大奥には、貴重な男子が大勢集められ、将軍をお守りするために仕えていた。貧乏な旗本に生まれ育った水野祐之進は、家のためにと大奥へご奉公に上がる。大奥での暮らしに衝撃を受けながらも慣れ始めたある日、水野は御中朧に昇進する。朝の総触れで将軍吉宗から名を訊かれた水野は、"ご内証の方"に選ばれるが、この"ご内証の方"は"大奥法度"により死なねばならぬ運命にあった。

 <男女逆転>の「大奥」の面白さを堪能するには、一般的な「大奥」について多少のことを知っていると、発想の転換の楽しみに触れることができると思う。一般的な「大奥」とは、将軍一人のために大勢の女性を集め、世継ぎとなる子を成すためのシステム。将軍の寵愛を得ようと女性たちの嫉妬と謀略が渦巻く世界…といったところ。当作品では、その立場が男女逆転で描かれてあり、将軍は、女性。大奥にいるのは、男性たちのみ。男性たちが、大奥のトップにならんとしのぎを削る様を描いている。

 劇場版は、ストーリーの展開が原作に沿っていたので余計な解釈などが挟み込まれていなかったためその点は良かった。原作の絵と同じカットとなっているなど、目配りがなかなかに行き届いていて、原作ファンとしては思っていたよりはストレートな作りとなっていて見やすくてよかった。ただし、全体的にあっさり感があり、もう少し大奥内のどろっとした雰囲気が出ていればよかったかも知れない…と思うところ。

 主人公の水野という男は、武士の魂を持った江戸っ子気質の人間なので、曲がったところが嫌いな性分ゆえに見た目には確かにあっさりとはしているのだが、内面には熱い情熱を持っている。人として大きな器を持った人物のため、それを外見から判断するには、欲を言えばもう少し二宮さんの体格に貫禄があればよかっただろうか…と感じた。二宮さんは、水野の役を体を張って好演されており、好印象の残る演技ではあったけれど、体の線がいささか細い。同じ御中朧の松島と並んだ時、もしや松島は"お褥すべり"の年齢か?と思ってしまうくらいの年上に見えるくらい、二宮さんの体格が少しばかり線が細かった。しかし、しなやかさと美しさは抜群。

 将軍吉宗を演じた柴咲コウさんが、かっこよかった。淡々としながらも張りのある声と演技がよかった。また、準主役かというくらい出番がありながら特別出演という、艶っぽいシーンまで見せてくれた松島役の玉木宏さんが、さすがの存在感。独特の声と、含みのある間の取り方が色っぽくてよかった。水野の母役を演じた倍賞美津子さんの貫禄は、さすが。姉役を演じた白羽ゆりさんは、着物姿でも綺麗。父役を演じたのは、竹脇無我さん。台詞はほんの少しであったけれども、このキャスティングはグッド。作中で大岡忠相を演じた板谷由夏さんと会話をするシーンがあったなら、尚のこと感動したことだろう。

 ラストシーンは、原作とは少々異なるシナリオで展開。原作は、三代将軍家光の話へと繋がるようになっているため、映画は独自のラストを構成している。お信と祐之進が再会するシーンは、もう少し感動的であってもよいかも知れないと思うが、全体的にあっさりとしているのでこれはこれでよいのかも知れない。脇の個性的な俳優たちが作品に厚みをつけている<男女逆転>「大奥」。歴史の新たな見方の映像化。
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