「バガー・ヴァンスの伝説」
投稿日 | : 2001/02/10 05:37 |
投稿者 | : ヒラク |
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先日試写会で観たばかりでまだ公開前の作品です。
まずはあらすじから…。
「1931年、南部ジョージア州で天才ゴルファーと言われた主人公ジュナは、
第一次大戦に赴くが、そこでの悲惨な体験が元で恋人アデールを残した
まま失踪してしまう。数年後町に戻ってきたジュナはアデールの企画した
2大プレイヤーとのゴルフマッチに引っぱりだされる。そこへキャディー
として名乗り出てきたのがバガー・ヴァンス。彼はジュナが‘失っていた
スイング’を取り戻させることができるか…。」
ジュナをマット・ディモン。アデールをシャリーズ・セロン。そしてバガーを
ウィル・スミスが演じています。監督はロバート・レッドフォード。
失われた自己を取り戻すというテーマを縦軸に、1930年代の南部の町並が
丁寧に描かれ、のどかさの中にも緊迫したマッチプレーがときにファンタ
ジックな映像とともに楽しめます。
ジュナとアデールの再燃する恋もユーモラスに描写され、シャリーズ・セロン
は気の強い南部の女性役をとてもチャーミングに好演しています。
そして題名にもある謎の男バガー・ヴァンスですが、1930年代の南部の町と
いう設定に対して黒人のキャディー。終始現実感希薄に表現されますが、彼の
存在をどう感じるかというのがこの作品の評価を分けるのだろうと思います。
ほかにも世界恐慌直後の人々の生活などもあわせリアリティーとノスタルジー
とを行き来するロバート・レッドフォードワールドが展開されます。
3月にロードショー公開予定。
余談ですが「バガー・ヴァンスの伝説」っていうのもベタな邦題だなーと思い
ましたが、原題が「The Legend of Bagger Vance 」なのでした。
スポーツの寓話
投稿日 | : 2003/09/29 21:55 |
投稿者 | : Excalibur |
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天才ゴルファーと持て囃されながらも、戦争での悲痛な体験から全てを捨てた青年。そこへ名ゴルファーたちとのエキシビジョン・マッチの話が持ち上がる。そんな彼の前にバガー・ヴァンスと名乗る謎の男が現れ、キャディーを買ってでるのだが・・・。
一度は挫折した男がやがて自分を取り戻して再生して行く、という物語運びは予定調和だが、南部の美しい自然を絡め、役者陣の好演もあって最後まで見せてくれる出来映え。
結局バガー・ヴァンスとは一体何者なのかを描かずに映画は終わる。主人公にとっての<守護天使>的存在だと捉えて僕は見ていたのだが、このあたりの解釈は見る人の自由だろう。ただ敢えていうなら、こういった役廻りだとウィル・スミスよりももっと年配の役者を配した方が相応しかったかもしれない(ついでに言うならば、10年以上のブランクから再起するにしてはマット・デイモンも若すぎる印象があるが)。
物語の語り部としてジャック・レモンがノン・クレジットでオープニングとエンディング、そしてナレーションとして参加しているが、残念ながらこれが遺作となってしまった。
作品データ