＜スタッフ＞
監督：柴崎貴行
アクション監督：宮崎剛
製作：鈴木武幸、平城隆司、��橋浩
エグゼクティブプロデューサー：杉山登、加藤和夫
プロデュース：武部直美、��橋一浩、本井健吾
原作：石ノ森章太郎
脚本：小林靖子
撮影：倉田幸治
特撮監督：佛田洋
美術：大嶋修一
音楽：中河幸太郎
音楽プロデューサー：津島玄一、河野裕介

＜出演＞
渡部秀／三浦涼介／高田里穂／岩永洋昭／君嶋麻耶／有末麻裕子／神尾佑／甲斐まり恵／宇梶剛士／酒井美紀／根岸泰樹／松平健／山田悠介／橋本汰斗／松本博之／未来穂香／荻野可鈴／唐橋充／氏家恵／ピーター・ブルーネ／内藤邦秋／西村匡生／西山清孝／おぐらとしひろ／大岩剣也／��橋静香／野間仁雄／福士蒼汰／清水富美加、他

2011年　東映

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　「仮面ライダーオーズ」劇場版作品。鴻上光生は、秘書の里中エリカを連れて800年前のコアメダルを発掘するためにドイツへと来ていた。作業の最終段階、メダルが一気に大量に噴出し、800年の眠りよりガラが目覚める。そして世界に異変が起き始める。ガラは、優れた錬金術の能力を用い、現代の世界をひっくり返し、また時代も越えて世界の王となろうとする。ガラの力で江戸時代に飛ばされたオーズたちは、貧乏旗本の徳田新之助と出会い、協力してガラの手下達を成敗する。

　ゲストに「暴れん坊将軍」の松平健が登場し、オーズ vs 暴れん坊将軍といったイメージのある作品であるけれども、本当の見せ場は終盤の7体のオーズが勢揃いするバトルアクションにある作品。ただし、そのクライマックスに至るまでの過程に幾つもの取って付けたような設定を通って行かねばならないため、折角の全オーズ変身の見せ場もやや精彩に欠けてしまった感があるのが少々残念な点。だだしこの全オーズ変身シーンは、オーズの特性があったればこそな可能な変身であるので、まことにビジュアル優先な「オーズ」らしい内容の豪華な変身シーンであると思う。

　あっち行ったりこっち行ったり、その時々の場所と時代に合わせた色々な格好に扮したキャラクターが登場するので、全体的におまつり的な賑やかさのある作品というのが私の感想。それも「オーズ」らしい一面であり個性であると思うのだけれども、一つ一つの設定にやり過ぎ感があるように感じられるのは、私が細かいところに厳し過ぎるからだろうか。次作品の「フォーゼ」も登場したりして全体的に退屈感は無いけれども、作品のテーマである筈の「家族の絆」が作品の派手さや賑やかさの影に入ってしまっているように感じられる点が残念だった。

　そんな中で、江戸時代のシーンは分かりやすい説得力でまとまっていて良かった。町民が徳田新之助の言うことを素直に受け入れる設定は、時代劇ならではの分かりやすさ。だからこそ伝えるべき事柄がすんなりと見る側にも伝わって来る。そして真の主役の存在感の重さ。松平健さんの存在感がオーズたちの存在をも支えており、突拍子もない設定を巧く取り込んでいる流石の名演技だった。

　ビジュアルと個性豊かなキャラクターを見て楽しむ。それに尽きる作品。

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