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「春の雪」
投稿日 : 2014/08/20(Wed) 14:01
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:行定勲
製作:富山省吾
企画:藤井浩明、三島威一郎
プロデューサー:市川南、臼井裕詞、甘木モリオ
原作:三島由紀夫「春の雪 豊饒の海(一)」
脚本:伊藤ちひろ、佐藤信介
脚本監修:春名慶
撮影:リー・ピンビン
美術:山口修
照明:中村裕樹
編集:今井剛
音楽:岩代太郎
音楽プロデューサー:北原京子
主題歌:宇多田ヒカル「Be My Last」
VFXスーパーバイザー:道木伸隆

<出演>
妻夫木聡/竹内結子/高岡蒼佑/及川光博/田口トモロヲ/高畑淳子/石丸謙二郎/宮崎美子/柄本佑/少路勇介/朝倉えりか/上杉二美/小堀陽貴/志田未来/田中千絵/三谷侑未/徳井優/中原丈雄/石橋蓮司/山本圭/真野響子/榎木孝明/大楠道代/岸田今日子/若尾文子、他

2005年
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Re: 「春の雪」
投稿日 : 2014/08/20(Wed) 14:06
投稿者 久保田r
参照先
 三島由紀夫の作品を映像化した劇場作品。監督は、「タスクフォース」「世界の中心で、愛をさけぶ」「北の零年」の行定勲さん。撮影は、台湾出身のリー・ピンビンさん。美術は、「世界の中心で、愛をさけぶ」の山口修さん。主題歌は、宇多田ヒカルさん。

 大正初期の時代。侯爵家の嫡子である松枝清顕は、幼い頃、伯爵家の綾倉の家に預けられていた。綾倉家の令嬢の二つ年上の聡子とは幼馴染みのように育ち、二人は仲良く年少期を過ごす。その頃、綾倉家の当主は聡子の世話役の蓼科に”ある事”を命じる。時は流れ、二人が成人となった頃、松枝侯爵の取り計らいにより聡子に洞院宮治典王との縁談が持ち上がる。断り切れぬ縁談に聡子は流されるままに婚約をするが、それまで聡子に対して冷たい態度をとってきた清顕が一転して聡子に「会いたい」と想いを募らせる。

 障害が多いほど恋は燃え上がる…をひたすらに描写している作品。すべての事の発端は清顕にあるのだが、なにしろこの清様、何事に対しても気づくのが後手後手に回る人物で、自分のしでかした事の大きさに気づかぬままようやく気づいた恋心に火がついて取り返しのつかない事態へと転がり落ちて行ったという悲恋が切々と描かれている。

 悲しい恋ほど美しいを象徴するように、映し出される映像がとても色彩豊かで綺麗。移ろいゆく四季の風景の美しさと、時代を表現する絶妙な色味と、心理状態を表す照明の美しさとが功を奏し、えも言われぬ映像美となっている。特に導入部となる冒頭の流れゆく映像美は魅入られるほど。ここから始まる作品の世界観を見事に美しく表現している。桜の花びらとも見紛うほどの春の雪の美しさ。

 また、宇多田ヒカルさんの歌う主題歌「Be My Last」が、この作品のための歌であることがよく伝わる歌詞となっていて印象的。私は歌を聞いてから作品に興味を持ったが、歌のイメージのままの作品であったことに率直に感動。「間違った恋をしたけど 間違いではなかった」「いつか結ばれるより 今夜一時間会いたい」このフレーズがひしと伝わる作品だった。
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