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「PIECE 〜記憶の欠片〜」
投稿日 : 2014/08/29(Fri) 15:03
投稿者 久保田r
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<スタッフ>
監督:下山天
製作:鈴木武幸、間宮登良松、木下直哉、松田英史
企画:白倉伸一郎
プロデューサー:高橋一浩、佐藤現
脚本:三条陸
撮影:小林元
特殊メイク:織田尚
美術:福澤勝広
編集:平澤政吾
音響効果:柴崎憲治、中村佳央
音楽:吉川清之
主題歌:三浦涼介「あなたのために」
造形:織田尚
助監督:高橋浩

<出演>
渡部秀/三浦涼介/長谷部瞳/野崎萌香/飛鳥凛/久保孝真/小澤真貴子/春延朋也/安藤広郎/廣瀬智紀/今井雄太郎/浪川大輝/脇本心愛/石橋宇輪/岡本正仁/小市慢太郎/松澤一之/伊藤かずえ

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Re: 「PIECE 〜記憶の欠片〜」
投稿日 : 2014/08/29(Fri) 15:05
投稿者 久保田r
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 仮面ライダーやスーパー戦隊などの特撮ヒーロー作品を手掛けてきた東映が、次世代のヒーローを生み出すために立ち上げた新レーベル「TOEI HERO NEXT」の記念すべき第1弾作品。主演は「仮面ライダーオーズ」の主役コンビ、渡部秀さんと三浦涼介さんの二人。深夜に都会で起きる猟奇事件の謎の真実に迫る”スーパー・ナチュラル・サスペンス”作品。

 新聞記者だった千野智紀(渡部秀)は、3年前に愛する女性を目の前で石化して亡くすという世にも奇妙な体験をしていた。当時の記憶を失った智紀は、スクープ雑誌の記者となり危ない内容の記事を書いては酒に溺れる日々を送っていた。ある日、若い男性が石化して亡くなるという事件の情報が入る。現場に急行した智紀は、顔なじみの狩屋刑事から情報を得ようとするが、そこへ公安のエリート、塩村理香が現れて追い払われてしまう。智紀は事件を追うことを決意。そして、石化死体の写真を撮影した”零”(三浦涼介)と名乗る男と接触する。

 ”スーパー・ナチュラル・サスペンス”とは、一体どんなジャンルなのかよく分からないのだけど、サスペンスのテイストがファンタジーの域にまで踏み込んでいるものとして捉えると、なるほどこれは「仮面ライダー」の世界観と共通していると納得のいく雰囲気の作品だった。メインの設定の一つの人間の体が石化するというのは、普通の人間世界ではおよそあり得ないことだが、視点を変えて「仮面ライダー」の特撮の世界観で見てみると一挙に納得ができる。作品の中に登場する特殊能力のある人間に埋め込まれた「PIECE(ピース)」と呼ばれる石。これを二人の主人公が謎を追いかけ真実を知ろうとする姿は、まさに「仮面ライダー」の世界観そのもので、主演の二人が演じた「仮面ライダーオーズ」とイメージが重なるところがある。しかし、二人はそれぞれ「オーズ」で演じた役とは異なる性格の役を演じており、今作では変身して戦うこともない。似て非なる世界観。「仮面ライダー」よりも少し大人の世代向けのストーリーといったところ。

 という視点で鑑賞すると、この作品は通常のサスペンスものとしてはぶっ飛んでいるものの、特撮ものとしては通常感覚で見ることができる。数奇な運命に翻弄される千野智紀(渡部秀)と、人並み外れた感覚の持ち主の零(三浦涼介)が出会って相棒となって真実に行き着くまでの過程を、特撮らしさの漂うシーンの切り出しとカメラアングルと、ダークな色合いの映像美と共に楽しむことのできる内容となっている。また変身はないもののアクションシーンはあり、狩屋刑事を演じた松澤一之さんの体を張った動きに思わず引き込まれてしまう。

 見どころは、零を演じた三浦涼介さん。主人格を含めた5人の人格を滑らかな切り替わりで演じ分けている。どの人格もぴったりと当てはまっており、時に性別を超えた一体感を見せてくれる。その強烈な個性は浮いた存在になりそうだが、それを中和しているのが智紀を演じた渡部秀さんの存在。ここでも愛されキャラを演じているが、三浦涼介さんとのコンビネーションがいい味を出している。

 ストーリーは智紀の恋人の死の真実が明らかになったところで終わっており、そもそもの「PIECE(ピース)」とは一体何なのかというところまでは描いていない。ラストにはこの後の展開を匂わせるやりとりがあり、もしかすると続編の構想があるのかも知れない。この作品では残念ながら”これぞ次世代ヒーロー”という具体的なイメージは湧かなかったが、でもこの作品の世界観の収束が見られるのであれば、それはぜひ続きを見てみたいもの。全ての真実が明らかになった時に”次世代ヒーロー”の姿が見えるのかも知れない。
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