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「ぼくが処刑される未来」
投稿日 : 2014/09/04(Thu) 13:19
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:小中和哉
製作:鈴木武幸、間宮登良松、木下直哉、松田英史
企画:白倉伸一郎、加藤和夫
プロデューサー:高橋一浩、大森敬仁、菅谷英智
脚本:長谷川圭一
撮影:志賀葉一
照明;赤津淳一
美術:室岡秀信
音楽:遠藤浩二

<出演>
福士蒼汰/関めぐみ/吉沢亮/小西博之/中西良太/中丸シオン/樋渡真司/近江谷太朗/神保悟志/大浦龍宇一/寺田農、他

2012年 東映
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Re: 「ぼくが処刑される未来」
投稿日 : 2014/09/04(Thu) 13:21
投稿者 久保田r
参照先
 仮面ライダーやスーパー戦隊などの特撮ヒーロー作品を手掛けてきた東映による、次世代のヒーローを生み出すために立ち上げた新レーベル「TOEI HERO NEXT」の第2弾作品。主役は、『仮面ライダーフォーゼ』で主人公のフォーゼに変身する如月弦太朗を演じた福士蒼汰さん。共演に、同じくメテオに変身する朔田流星役を演じた吉沢亮さん。監督は、数々のウルトラマンを手掛けている小中和哉さん。脚本は、ウルトラマンを始め多くの特撮作品を手掛けている長谷川圭一さん。

 気弱な青年の浅尾幸雄は、ある夜、突然の光を浴びて見知らぬ場所へと連れて来られた。そこは警察の取調室であり、身に覚えのない幸雄はたじろぐばかりで事態が飲み込めずにいた。説明によるとここは25年後の未来世界で、凶悪犯罪の犯人を過去から連行して公開処刑するというものであった。それは「未来犯罪者消去法」と呼ばれ、全知全能の量子コンピューターによって仕切られている世界であった。建前上の裁判による処刑確定後、幸雄は未来世界の自分と会って驚愕する。その人物は、同姓同名の別人物であった。

 「ぼくが処刑される未来」というタイトルが怖くて見るのに多少躊躇したものの、シリーズ前作の「PIECE 〜記憶の欠片〜」がほぼ仮面ライダーと同じ特撮の雰囲気であったため、今作もおそらくそうなのであろうという予測のもと見始めたら、やはり思った通り仮面ライダーに通ずる特撮ムード満載のSFテイスト・サスペンス作品だった。独特の映像やカメラアングルを見ていると「ここで仮面ライダーが出て来るのでは」という雰囲気を感じつつ、主役はあくまでも人間で、ただひたすらに人間が人間として出来ることを遂行しているストーリーとなっていて、そのため見た目に派手な展開はないもののそれだけに人間の脆さや大衆心理の怖さといったものがリアルに伝わる内容となっていたように感じられた。

 主人公役の福士蒼汰さんは、気弱な青年を演じていてフォーゼとは違う印象をアピール。吉沢亮さんは、クールながらも胸の内に熱いものを抱いているハッカー役が似合っていた。ヒロインを演じた関めぐみさんの役は、過去に冤罪で父親を亡くすという設定のため暗い影を背負った女性役で、主演の3人ともがあまり声を張らない地味な印象の役柄なのだが、そこに強引に割って入るのが浅尾幸雄の同姓同名の犯罪者を演じた小西博之さん。狡猾な悪漢そのものを演じ、見る者に恐怖心を与える存在感を示していた。そして、浅尾幸雄の25年後を演じた大浦龍宇一さんが、福士蒼汰さん演じる気弱な青年の未来の姿を違和感なく演じていて流石の雰囲気。

 全体のテンポがそれほど早くはないため少々地味な作品ではあるけれど、メッセージテーマとして「変わらなければ」を伝えている。昨今の仮面ライダー作品が複雑に入り組んだ人間関係を多く描く中、この作品は時間設定以外は絞られた人物でドラマを展開しているためメッセージがまっすぐに伝わって来やすくて好印象。バトルで全てを解決しようという力技はここにはなく、あくまでも主人公自身の変化を追い求めている。本来ならば仮面ライダーでこそこういう姿勢を描き子どもたちに伝えるべきなのでは…と思った作品だった。
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